助成金横断など:目次

横断資料

賃金・資格手当要件
中小企業・大企業判断基準
  
コラム(内容が古くなっているものもあります)

助成金の3段跳び 1年で初めて使う助成金
パートタイム助成金改正の断面
助成金相談一番乗り! 「建設的」事業と助成金
助成金申請に向く人柄 都の助成事業というもの
地方の助成金受給 面白い助成金の論議 
助成金の名称変更 建設業界の資格助成金

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「賃金要件」及び「資格等手当要件」

令和5年より設けられた、基本給の賃上げか手当を新設して賃上げすれば、助成金を申請してさらに上乗せしますよ、というものです。多くの助成金に設定されています。

☆どんな要件?

・賃金要件

毎月決まって支払われる賃金(基本給及び諸手当)について、訓練終了日の翌日から起算して1年以内に、5%以上増加させていること。なお、賃金が5%以上増加していることについては、対象労働者ごとに、賃金改定後3か月間の賃金総額と改定前3か月間の賃金総額を比較して、全ての対象労働者の賃金が5%以上増加していること。

・資格等手当要件

資格等手当(毎月決まって支払われる手当)の支払いについて、就業規則、労働協約又は労働契約等に規定した上で、訓練終了後の翌日から起算して1年以内に全ての対象労働者に対して実際に当該手当を支払い、賃金を3%以上増加させていること。

なお、資格等手当の支払いにより賃金が3%以上増加していることについては、対象労働者ごとに資格等手当支払い後3か月間と資格等手当支払い前3か月間の賃金総額を比較して、全ての対象労働者の賃金が3%以上増加していること。

☆受給のポイント

単に賃上げしたという事実だけでは上乗せされません。全ての対象労働者に対して、要件を満たす賃金又は資格等手当を3か月間継続して支払った日の翌日から起算して5か月以内に、割増助成分を別途申請することが必要です。2回目別な申請です。

「賃金向上助成」または「賃金向上助成・資格等手当助成」の算定の対象となった期間(8か月間)に、事業主都合による離職者を発生させていないことが必要です。

中小企業の判断基準について

中小企業か、大企業かで、受給資格、支給率や額の異なる助成金があります。

中小企業、中小建設事業主のみ受給可

両立支援等助成金 育児休業等支援コース
両立支援等助成金 介護離職防止支援コース

人材確保等支援助成金 テレワーク・コース

受動喫煙防止対策助成金
業務改善助成金

人材開発支援助成金 教育訓練休暇付与コース
人材開発支援助成金 建設労働者認定訓練コース

大企業は額の下がる助成金

労働移動支援助成金 再就職支援コース
特定求職者雇用開発助成金 特定就職困難者コース
特定求職者雇用開発助成金 生活保護受給者等雇用開発コース
特定求職者雇用開発助成金 発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース

65 歳超雇用推進助成金 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
65 歳超雇用推進助成金 高年齢者無期雇用転換コース

人材開発支援助成金 人材育成訓練コース
人材開発支援助成金 建設労働者技能実習コース

雇用調整助成金
両立支援等助成金 出生時両立支援コース 
中途採用等支援助成金 UIJターンコース

中小企業・大企業、同額の助成金

求職者支援制度(認定職業訓練実施奨励金)
職場適応訓練費
人材確保等支援助成金 雇用管理制度助成コース
労働移動支援助成金 早期雇入れ支援コース
中途採用等支援助成金 中途採用拡大コース

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企業の規模は、「主たる事業」ごとに、「A 企業の資本の額または出資の総額」
または「B 企業全体で常時雇用する労働者の数」によって判断します。

下表のAまたはBの基準のどちらかに該当すれば、中小企業となります。
それ以外は大企業です。
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○ 小売業(飲食店を含む)…A 5,000万円以下…B50人以下

○ サービス業…A 5,000万円以下…B100人以下

○ 卸売業…A 1億円以下…B100人以下

○ その他の業種… A 3億円以下… B300人以下
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営利法人以外の法人(以下「非営利法人」とします)の場合は、「B 企業全体で常時雇用する労働者の数」によって判断します。「主たる事業」については、営利法人・非営利法人ともに総務省の産業分類表に基づきます。

非営利法人には、公益法人(社団法人・財団法人)、学校法人、宗教法人、医療法人、社会福祉法人、特定非営利活動法人、協同組合(農業協同組合・生活協同組合・信用協同組合など)、相互会社、中間法人などが該当します。企業の規模は、「主たる事業」ごとに、「A 企業の資本の額または出資の総額」または「B 企業全体で常時雇用する労働者の数」によって判断します。

以下の助成金は中小企業の定義が違います。
人材確保等支援助成金 中小企業団体助成コース
ゴム製品製造業 (自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)
・・・3億円以下900人以下
ソフトウェア業またはソフトウェア業また情報処理サービス業・・・3億円以下900人以下
旅館業・・・5000万円以下200人以下

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助成金の3段跳び

助成金は年々変化の激しいことで有名です。以下の助成金のように毎年名前の変わる助成金もあります。

平成15年 地域雇用受皿事業特別奨励金
平成16年 地域雇用助成金
平成17年 地域創業助成金
平成20年 廃止

この助成金は、「地域に貢献する事業」を起こし、複数の人を雇った場合に支給される助成金です。
① 創業経費の3分の1を支給。
② 人件費で最大30万円を支給。

という点では変わらないのですが、「複数の人を雇った場合」の複数の人数と、3分の1の上限額が変わっています。

どういう条件かといいますと、

平成15年 地域雇用受皿事業特別奨励金…3人雇ってその全てが非自発的離職者
平成16年 地域雇用助成金…3人雇ってそのうち1人が非自発的離職者
平成17年 地域創業助成金…2人雇ってそのうち1人が非自発的離職者

また、上限額は最低でも200万円出ていたものが、150万円に落ちています。

これは、さすがに利用者が少なかったのでしょう。お役人さまも助成金を、使われ過ぎるのは困るのですが、反対に使ってもらわなくても困るのです。創業して1年半で「3人雇ってその全てが非自発的離職者」というシチュエーションは余りないでしょう。年を経て段々緩和してきたのが分かります。

このように助成金は目的が同じでも名称すら変わってしまうことがあります。条件もやれ不正行為があったとか、やれ社長も申請に来なければならなくなったとか、改正が非常に多いです。助成金の相談をされるときは担当の役所や、専門家にお尋ねされることをお勧めします。

パートタイム助成金改正の断面

21世紀職業財団にかつてパートタイム助成金というものがありました。

この助成金が大幅に改正になったことがありました。
改正前は、
改善計画作成15~20万円 プラス
改善計画実施1,400~12,400円×人数 
例外的に12~15万円の一括払い
と言った感じでしたが、

改正後は、
正社員と共通の処遇制度の導入: 50万円
パートタイマーの能力・職務に応じた処遇制度の導入: 30万円
正社員への転換制度の導入: 30万円
短時間正社員制度の導入: 30万円
教育・訓練の実施: 30万円
健康診断・通勤に関する便宜供与の実施: 30万円

チマチマとした計算に音を上げるようになったのでしょうが、変わったのはその給付対象です。

改正前の給付対象は、
雇い入れ時検診、定期健診の実施、人間ドックの実施、生活習慣病予防検診、講習の実施、保険・共済の実施、通勤便宜供与、キャリアアップ制度の整備

でした。しかしこれが、全般に「制度の実施」になったところが大きく変わりました。つまり、以前は、

パートタイマーのために何かすればあげるよ、と言うものだったのですが、

今回は、制度を紙で作っただけではダメよ。また実行したと言うだけでもダメよ。制度にしてまた実行したら大金あげるよ。という風になったのです。

法改正の助成金ですが、これは大幅な改正で、新規に作った助成金と変わらない予算が付いたものと思われます。こういうところは係員もヤル気ですので、ぜひ利用を検討されてはいかがでしょうか。

助成金相談一番乗り!

かつてあった雇用確保措置導入支援助成金(セカンドキャリア助成金)の相談に行ってまいりました。この4月新年度から新設された助成金です。

「最後のムカシのお役所」と言われている場所にしては珍しく、笑顔で迎えられ、和やかに話が進みました。それもそのはず、この助成金について相談するのは東京で私が第1号だそうです。新年度からかれこれ3週間も立っているのですが。

要は、55歳以上のヒトを継続して雇うに当たって、研修を受けさせ、最新の仕事を身につけてもらった場合、受講者1人あたり(実人員)50,000円、1事業主あたり500万円を上限として、1回限りの支給をするというものです。

なんだか鬼が仏に代わったようで、戸惑いながら事例を話しました。

この助成金はまだ結構門戸が広いようで、研修と名が付けば宗教や風俗などに引っかからない限り、支給されるようです。結論はこの役所らしく「始まってみないと分かりませんね」でしたが、申請用紙一式やHPに公開されていない情報まで教えてもらいました。

もっともこの手の教育関連の助成金は辛抱強くやらねばなりません。いちいち役所に何度も足を運び、書類を届けなくてはならないし、教育現場を見に抜き打ちでやってくるし、面倒臭いことが多いのです。しかも教育をやった後の後払いですから、「そりゃダメ」と一言言われれば今までの努力が水の泡になります。

しかしながらどうでしょうか。新設されたばかりの助成金でかくも態度が良いとは思いませんでした。助成金の歴史は、
新設されて大盤振る舞い→予算がなくなってきてちょっと締める→不正受給が発覚して大幅に締める→ほとんど申請者がなくなる→廃止
という歴史をたどって来ています。今のうちに申請するのがそりゃ良いと思います。

但しこの助成金は中小零細企業向きではないです。何しろ1年で5万円ですから、対象者が大勢いないと余り効果がありません。高齢者が100人以上いる会社はどうしても限られてきますね。

1年で初めて使う助成金

建設労働者の就業あっせん事業を開始 仙台で全国初認可

2005年10月に、建設労働者の雇用の安定を目指すために、以下の2つの助成金が新設されました。

建設業務労働者就業機会確保事業教育訓練助成金
建設業需給調整機能強化促進助成金

これは、ひとえに
1、建設業は季節や業態によって忙しい時期とヒマな時期がある。
2、従って、ヒマな時期には労働者がお茶を挽くことになる。
3、しかし忙しい事業所はネコの手も借りたい。
4、そこで閑→繁の事業所移動ができれば理想的。
5、しかし勝手知ったる自分の会社以外は慣れるのが大変。
6、そこで慣れるための研修、人件費などに助成しましょう。

というものです。今回初めて適用される団体ができたというわけです。

それにしてもスローモーな話ですね。この団体はこれらの助成金を利用したでしょうけれど、助成金ができてから1年も経っています。東京などはこの長ったらしい名前の助成金のパンフが、てんこ盛りになっているのですが、仙台で全国初ということは東京では活用されていないことになります。

こういう助成金、まだあります。雇用確保措置導入支援奨励金などは4月に生まれて7月時点で相談件数のみでたった2件!(東京)しかもその2件はかく申す私の相談ですからお笑い種です。高齢者の定年延長の教育のための助成金です。

これ、キャリア形成促進助成金とかち合う上に、職業相談委託助成金ともカブるのです。

キャリア形成の方が歴史が古くて実績がある上に、今回改正が行われたものですから、もう窓口は大賑わいです。1つ申請していますが、10日待たされるほどの大盛況です。職員は1日60件も裁くんだそうです。

国の施策と民間の需要が段々乖離していっているような気がします。「助成金バブル」の頃は大盤振る舞いしたのですが、その後不正が明らかになって厳しくなりました。その繰り返しで助成金制度自体、特に社長さんには得体の知れないものに見えて来つつあるのかも知れません。

「建設的」事業と助成金

技能継承トライアル事業という政府の2007年問題に対処する事業がありました。実に団塊世代の退職に鑑み、若年世代に技能継承しようという「建設的」で良い事を言っている事業です。

要は試行雇用奨励金を2007年問題にも出しますよ、というものですが、35歳未満を雇うという要件も変わらないし、月5万円最大3ヶ月という受給額も変わりません。この時点では一体ドコを変えたの?事業主のどこにメリットがあるの?という感じの意味不明な「改正」でした。

その内容は以下のようなものです。

1、技能継承トライアル助成金を受けたいと思う。
2、「青少年雇用創出計画」を作成し、知事の認定を受ける。
3、学校から新規学卒者を入れる。
4、その学卒者は技能継承トライアル雇用で2年間「試用期間」を設けられる。
5、しかし助成金は3ヶ月しか出ない。

つまり、今の一般のハローワークからの募集以外に、新規学卒者も入れて、試用期間を2年間設定できるというもののようです。しかしその試用期間は最低賃金法の適用ももちろん受けますし、週20時間以上で雇うので、雇用保険に入り、社会保険も入らなければならない局面があります。

また別に、試用期間だからといって2年間解雇要件がゆるくなることでもないようです。事業主にとっても、また労働者にとってもメリットがどこにあるんだろうと、大探ししなければならない状況で、一体今までとどこが違うの?と首を傾げたくなるような「改正」です。しかも「計画」を作る分、事業主にとって手間だけかかる感じです。

今は2つの新設助成金ができましたが、このときは一体何かと思うような「改正」でした。理想を謳った「事業」だけでは、具体的に何が利益になるのか推し量るのはムツカシイものかも知れません。

キャリア形成助成金の申請

キャリア形成助成金の申請に行ってまいりました。

この助成金、専門家の間では「書類が『こんなの』(と言って両手を上下に幅を取るようにする)」というほど、提出書類の多い助成金です。今回もウンザリするほどな量と、またこちらが作成しなければならない書類の煩雑さでしたが、何とか受理されました。

もっとも煩雑なのは、何と言っても
○タイムカードを書き写さねばならないところ
ですね。こんなことを書くと拍子抜けするのですが、その対象時間を「訓練・職業能力検定出席状況報告書」などというものにいちいち写さねばならないところです。

しかもその写したヤツ1枚1枚に事業主と教育担当者のハンコが必要になるのです。人事労務知識などほとんど必要ありませんね。(笑)もっともその前の申請のときに、すでに人事に関する計画は立てるので、専門家としての役割は果たしているのですが。

まあ助成金は、ドンドン進むということのやりにくいものです。役所向けの書類と企業内部向けの書類が違うことが最大のネックです。「タイムカードを見て自分で判断してくれ!」とわめいたとしても、そうは行かないのです。

ですから助成金の手続は、
○社内の営みをいかに公的な書面に表現するか。
ということに尽きると思います。その営みが書面でさえあれば、結構有力な証拠になってしまうところが、労務管理の怖さではあります。

しかし助成金に関して言えば、その恐怖がそのまま裏返しになります。当たり前の社内の営みについてハンコ一つ、紙切れ1枚で返済不要のおカネが引き出せるのが魅力的に映ります。

専門家としては、そんな法律力よりも、実務力でやられる助成金は、特に社労士には敬遠されるもののようです。しかしヒトの問題はコツコツとやるものです。現在成果主義と終身雇用のいがみ合いが続いていますが、会社ごとにじっくり時間をかけて解決するのが最上の策でしょう。それにはタイムカードをまずはじっくり見る実務から始めるのが改革の第1歩なのです。

助成金申請に向く人柄

およそ法律家であれば、また「ヒトの専門家」であれば、頭が切れて鋭く、また人情深くあるべきでしょう。しかし助成金申請をナリワイにする場合、いささか事情が異なってきます。

分かりやすくひと言でいうと「ポワーンとした人柄」が助成金申請に一番向くようです。なぜでしょうか?

助成金の要件や、事業主に対する営業などは、それほど苦労しなくても簡単に覚えられるものです。要件は、マニュアルを見ると山のようにあるように見えますが、本当に不可欠な要点は絞られますし、おカネの欲しくない社長さんはいません。

しかし問題は、申請当局に行ってからの攻防です。ここでしくじると要件が合致し、社長さんとせっかく仲良くなっても最悪不支給になったりします。それは「国」相手だからです。助成金関連の担当者とはどういうヒトなのでしょうか。

1、相談件数は稼ぎたい→用紙を取りに行くだけでも「相談」で、お仕事のうち。郵送などはやらない。
2、受給件数は多くしたい→なるべく1件あたりの受給額を削ろうとする。

というものなのです。それはどういう応対を意味するのかというと、前述の頭が切れて鋭く、人情深い人格では疲れることが多くなるということです。ひと言でいうと彼らは、「相手を負かしても決して負けない」人種だからです。

世の中「負けるが勝ち」というように、相手を負かしてもそれで利益を得られるとは限りません。ケンカに勝って勝負に負けた、ということはよくあることです。しかし彼らは負けると予算の不揃いな配分に響いてきます。前述の2か条を守る必要があるのです。

ですから係官を負かさないように、余計なことをいわないように、空虚な勝ち誇った発言にキレないような人物が「助成金専門家」の資質があります。ストレス云々ではなく、肩透かしを食らわせられるようなヒトですね。悪く言えばニブイヒトの方が数をこなすといえます。

こんな社労士はもちろん少数派ですが、助成金自体、支給不支給答えの分かる、キッチリと見える法律のお仕事ながら、何か「ポワーン」とした制度だと感じるのは私一人でしょうか。

都の助成事業というもの

東京都の平成18年度助成事業の説明会に行ったことがあります。新製品開発やISO事認証取得などが主です。
いくらもらえるかといいますと、いずれも助成率2分の1で、

1、新製品・新技術開発…100万~1,000万
2、新技術に関わる共同開発…~1,500万
3、新技術に関わる創業…~1,000万
4、新技術に関わる市場開拓支援…~300万
5、ISO認証取得…~130万

です。一番多いのは1の新製品・新技術開発でしょう。これが一番人気があるそうです。
今回の助成事業の改正点は、
1、2の共同開発事業の助成の審査をゆるくしよう!
2、4の市場開拓支援は去年は500万だったが、値段を下げて件数を多くする。
3、ISO助成は審査経費のみの助成にする。

といったところです。当時景気が良くなったせいか、少し条件が悪くなっています。

しかしこの助成金を受けるのに一番重要なところは、

申請期限が限られているということです。雇用関係のように通年どこでも要件が揃えば、というわけにいきません。まずFAXで申込みをするのですが、その申込みの提出期限は、

○ 新製品・新技術開発、新技術に関わる共同開発
…2月27~3月10日 午後5時まで
○ 新技術に関わる創業、新技術に関わる市場開拓支援、ISO認証取得
…2月6~10日 午後5時まで

12日間とか、5日間です。その間にあらましを書いたFAXを流さないとダメになります。その後トントン拍子に(書類上は)話が進んでいくのですが、途中であきらめると「前科者」になって、来年度から助成金が受けられなくなりますので、受給手続きは覚悟を決めて望んでください。

地方の助成金受給

最近地方に行くことが多くなっています。この間は茨城へ行き、先日は千葉の東方へ行きました。地方の方でも結構いい助成金の対象になる方が多いのですが、以下のような特徴があります。

○周囲に助成金を扱う社労士がいない。サイトもなく、検索でかかるのは東京の社労士ばかり。
○基礎的なことも教えられていない。コンサルに社労士はいますが、保険の得喪の手続のみ。簡単に手続できるトライアル雇用助成金ですらご存じない。また、解雇予告手当など、基礎的な労務知識も教えられていない。
○実は資産家が多く、都会相手に受注の多い、結構有望な事業をやっている。

要は、何しろこの近所にいれば、真っ先に飛びつくような案件なのに、というものが多いのです。地元の先生はどうしたのでしょう。

地方の知り合いで助成金専門家もいますが、

何しろ地方同士でも「遠い」ということがネックになっているようです。冬季など車でも危険な道を延々と行かねばならないとなると躊躇するのは当然でしょう。従って、受けられるものも受けられず、地理的にムリという事業所さんが出てくるのです。

事業主さんでも簡単にできる助成金は、トライアル雇用などもそうですが、自治体が積極的に導入を進めている地方の助成金もあります。

これらは「ヒト」に関するものは少ないので、むしろ事業主さんがやっていただいた方が早いのです。しかも結構な金額が出ます。そういうものをお勧めしたいですね。

東京では「助成金なんぞ受け取ると却って事業に失敗する」という方もいます。しかし雇用に関するものに関して言えば、助成金は積極的に従業員の福利厚生を図った場合に出るものが多くなっています。つまり良心に対するご褒美なのです。こういうものは専門家を使っても、もらった方がオトクではないでしょうか。

面白い助成金の論議

字幕番組等制作促進助成金

雇用関連の助成金ではありませんが、こういう助成金もあります。視聴覚障害者がテレビを見るための字幕、解説、手話番組を制作する公益法人に、字幕等を付けるための経費の2分の1(在京5局の字幕番組については6分の1、在阪4局の字幕番組については4分の1)を助成するものです。

この助成金に関する議論は、いくら障害者が見るといっても、果たしてアダルト関連のテレビに助成するのは是か非か、という問題です。

雇用関連の助成金は多々ありますが、いくら新規事業でも就業規則を導入しても、その企業が助成金を受けるには、「公序良俗に反しない」ことが必要です。例えば性風俗関連の企業は要件に合致してもそもそも助成金を受けられないのです。

助成金というのはそもそも、国や団体の良いと思う方向に誘導するためにおカネで釣ろう(失礼)という政策です。その「良いと思う方向」の定義が大事です。この場合問題になるのは、

○ アダルト番組を見せることがその良いと思う方向に当たるかどうか。
ということです。

健常者ならまずこれはアウトでしょう。しかし障害者のことを考えればそれは福祉という論理も成り立つのです。同じ会社の同じ雇用助成金にしても「安定した雇用の創出」という目的に必ずしも合致するかどうか、プラスになるかどうかは助成金をもらった後がどうなるかです。

訳の分からない理屈ですが、何かの役に立とうということや、ヒトの問題を解決しようという問題をおカネに換算すること、ひいては法律で定義づけようという行為自体、実は非人間的でもっとも冷酷なものかもしれません。

助成金の名称変更

以前、廃止となって、4ヶ月を経て「復活」した短時間労働者均衡処遇推進等助成金のことです。
助成金の名称変更はどういう「ウラ事情」を伴うものでしょうか。

引き比べて何が変わったかといえば、

○ 短時間労働者雇用管理改善等助成金という名称が短時間労働者均衡処遇推進等助成金と変わった。
○ 一時金として30万円~50万円支払われたものが、2回に分けた分割払いになった。
○ 対象者を必ず雇用保険に入れることになった。

の3点です。名前を変えるのが好きな点はあまり変化がないとして、予算を急激に食いつぶさないように2回払いにしたこと、さらに雇用保険の財政への配慮が加わりました。

これらのことは何を意味するかというと、

前年の「パートタイム助成金予算パンク」を警戒しているのがアリアリです。さっと請求してさっと支給されて終わり、という「仕事人」を警戒して、半年毎請求の長丁場助成金にしたのです。

また、雇用保険の義務化は、正社員といっても雇用保険にすら入らないヒトが続出した対策でしょう。景気が回復し、パートタイマーが正社員になって収入が上がり、出生率が向上したといっても、その待遇はお寒いものだというのが分かります。

前年は窓口の対応は面談室に招じ入れるなど親切でしたが、今年はパンフだけ渡して「とっとと帰れ」と言わんばかりのツレナサです。相談しようと思って行ったのですが、「具体的に就業規則を提出した後でないと、申請用紙を渡せません」とケンもホロロです。

前年の予算切れ状態は、とにかく政策として失敗だったのでしょう。しかしカタチだけで作って終わりの制度や、雇用保険だけの正社員が増えることの抑止は良いことです。パートタイム助成金の改正が良い方向に行くことを祈ります。

建設業界の資格助成金

建設業教育訓練助成金

建設業界はヘルメットに作業服というガテン系イメージの他に、相当資格の多い業界という印象があります。建設にしても土木にしても機械は欠かせません。専門的な知識の必要なこれら機械の免許は何十種類とあります。

例えば、
高所作業車運転技能講習
運転免許なし…46,840円 17時間
免許あり…51,840円 14時間
移動式クレーン免許あり…39,840円 12時間

同じ資格でも、自動車免許の有無などで違ってきます。

これらの免許を取るのに、結構私企業が手を差し伸べているのが面白いですね。私の自宅の足立ですと、日立系の会社が公的な助成金のあっせんまでしています。

これらの講習で助成金を受けるとなると、どうなるでしょう。

上記の高所作業車ですと、
免許あり…51,840円が640円になります。また移動式クレーン免許あり…39,840円が2,040円になります。助成金を使うことで10分の1以下の負担額で済むのです。

但し助成金ならではの条件がありまして、
○ 受講料、賃金を保障。
○ 従業員300人以下又は資本金3億円以下。

これらの助成金の申請は我々社労士もやるのですが、ほとんどは建設会社の教育センターで行っています。従業員に安価に免許を取らせる教育に、企業が積極的におカネを出しているのです。

これら教育センターは都道府県の労働局長の登録教習機関にもなっています。重機や特殊な機械の実技などは、そう簡単にお上がお金を出すわけにもいかないでしょう。やっぱりモチはモチ屋です。義務になっている特別教育、安全教育も合わせて助成金がお上の監督の役割をしているのですね。