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助成金申請に向く人柄

およそ法律家であれば、また「ヒトの専門家」であれば、頭が切れて鋭く、また人情深くあるべきでしょう。しかし助成金申請をナリワイにする場合、いささか事情が異なってきます。

分かりやすくひと言でいうと「ポワーンとした人柄」が助成金申請に一番向くようです。なぜでしょうか?

助成金の要件や、事業主に対する営業などは、それほど苦労しなくても簡単に覚えられるものです。要件は、マニュアルを見ると山のようにあるように見えますが、本当に不可欠な要点は絞られますし、おカネの欲しくない社長さんはいません。

しかし問題は、申請当局に行ってからの攻防です。ここでしくじると要件が合致し、社長さんとせっかく仲良くなっても最悪不支給になったりします。それは「国」相手だからです。助成金関連の担当者とはどういうヒトなのでしょうか。

1、相談件数は稼ぎたい→用紙を取りに行くだけでも「相談」で、お仕事のうち。郵送などはやらない。
2、受給件数は多くしたい→なるべく1件あたりの受給額を削ろうとする。

というものなのです。それはどういう応対を意味するのかというと、前述の頭が切れて鋭く、人情深い人格では疲れることが多くなるということです。ひと言でいうと彼らは、「相手を負かしても決して負けない」人種だからです。

世の中「負けるが勝ち」というように、相手を負かしてもそれで利益を得られるとは限りません。ケンカに勝って勝負に負けた、ということはよくあることです。しかし彼らは負けると予算の不揃いな配分に響いてきます。前述の2か条を守る必要があるのです。

ですから係官を負かさないように、余計なことをいわないように、空虚な勝ち誇った発言にキレないような人物が「助成金専門家」の資質があります。ストレス云々ではなく、肩透かしを食らわせられるようなヒトですね。悪く言えばニブイヒトの方が数をこなすといえます。

こんな社労士はもちろん少数派ですが、助成金自体、支給不支給答えの分かる、キッチリと見える法律のお仕事ながら、何か「ポワーン」とした制度だと感じるのは私一人でしょうか。