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求職者支援制度(認定職業訓練実施奨励金)

他の教育助成金のような「雇用型訓練」と違い「委託型訓練」の助成金です。職業訓練校の代わりとして、教育訓練をしていただくものです。

★ どんな助成金?

雇用保険を受給できない離職者に、各種学校や、企業研修機関、NPO法人、一般企業の事業主などが、訓練実施計画の認定を受けて行う、受講費無料の職業訓練があります。それを行う団体や事業主に支給されます。受講生に払われるものは、職業訓練受講給付金(月10万円)といいます。

★ いくらもらえる?

訓練を行った機関について、公共職業安定所長の受講勧奨を受けた受講者の数に、以下の月額を乗じた額が支給されます。

1、基本奨励金: 求職者支援訓練を適切に行った訓練実施機関に支給します。2種類あります。

・基礎コース:受講者数×6万円×月数(28日未満は3,000×実施日数)
・実践コース:受講者数×5万円×月数(28日未満は2,500×実施日数)

2、付加奨励金 : 「実践コース」を実施し受給した上で就職率が一定水準以上である訓練実施機関に支給します。

就職率60%以上の訓練:受講者数×2万円×月数(28日未満は1,000×実施日数)
就職率35%以上60%未満の訓練:受講者数×1万円×月数(28日未満は500×実施日数)

3、保育奨励金 : 訓練期間中(基礎および実践コース)に託児サービスの提供を行った訓練実施機関に支給します。

基本奨励金 の支給対象期間内に、実際に託児サービスの提供に要した経費の合計額です。ただし、支給単位期間ごとに「子1人につき6万6千円を上限」とします。

★ 受給のポイント

以下のような「職業訓練校」を開く意思とスペース、講師と設備があるかどうかです。後は受講生の定着率と就職率次第で助成金額が上がります。

研修の要件

・おおむね10~30人の定員であること。教室の面積は1人当たり1.65㎡以上。講師は実技は15人に1人、座学は30人に1人。
・カリキュラムは1日5~6時間。期間は1カ月~6カ月、また実施時間は100~600時間以上であること、
・受講者出欠報告書には、訓練開始時から、1か月ごとの受講者本人の署名が必要となります、等。

例えば以下のようなカリキュラムの要件があります。

〇基礎コース

基礎コースの内容には、以下の内容を含むものであること。なお、以下の基準を満たしていればその他のカリキュラムの内容は任意となること。

① 学科及び実技により実施されるカリキュラム(必須) 
② 基礎コースにおける最初の1か月目の訓練項目は、職業能力開発講習とする。

職業能力開発講習は、ビジネステクニック、ビジネスヒューマン、就職活動計画、職業生活設計の4つのカリキュラムで構成し、それぞれ以下の時間数により行うこととし、1か月単位の期間で設定すること。  

・ビジネステクニック 18時間以上  ・ビジネスヒューマン 12時間以上  ・就職活動計画  18時間以上  ・職業生活設計  12時間以上  

③  職場見学、職場体験、職業人講話等(基礎コース、実践コースともに6時間以上を必須とする。)

〇実践コース

職業能力開発講習は設定せず、実践的な技能等を習得の上、就職に直結する資格を取得できる特定の訓練コースについては、訓練期間 の下限を2月以上とする。
介護初任者研修対応コース(介護初任者の資格取得)や、メディカルクラーク等対応コース(医療事務関係の資格取得)等

受講内容は難しくなくても可ですが、やや厳しく、何度も役所に通って、カリキュラムの見直しをする必要があります。また毎年、受講者の出席、就職の成果を問われます。もし基準を満たせなければその講座は翌年度からコースを開くことができなくなります。

認定基準:過去3年以内での同程度の期間と時間の職業訓練の実績

(技能講習を実施する場合は特例あり)
・教室や事務所の設置
・就職支援責任者(ジョブ・カード作成アドバイザー)の配置
・責任者、事務担当者などの配置
・講師の配置(求職者支援訓練上の要件あり)
・キャリアコンサルティングの実施
・男女別トイレの設置 など。

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