教育関連助成金:目次

人材開発支援助成金と、それ以外の潮流があり、他の目的の助成金に教育訓練が顔をのぞかせているものも多いのです。

人材開発支援助成金

① 人材育成訓練コース : 比較的自由なカリキュラムの訓練の助成金です。

  人材育成訓練 : 正社員、非正規社員向けのOFF-JTの一般訓練の助成金です。
  有期実習型訓練 : パートタイマー、契約社員→正社員のOJT付訓練の助成金です。
  認定実習併用職業訓練 : 新入社員向けのOJT付き訓練です。 
 
教育訓練休暇付与コース : 教育のための休暇制度の助成金です。 
建設労働者認定訓練コース : 建設関連事業主向けです。建設各種の厚労省認定訓練です。
建設労働者技能実習コース : 建設関連事業主向けです。建設各種の資格等実習訓練です。

人への投資促進コース : 「新しい資本主義」に基づいて成長の糧となる訓練をする助成金です。

 高度デジタル人材訓練 : 高度デジタル訓練(ITスキル標準レベル3、4以上)対象です。
 成長分野等人材訓練 : 高度デジタル訓練(海外や国内の大学院に行くような訓練)対象です。
 情報技術分野認定実習併用職業訓練 : IT分野未経験者向けの訓練の人材育成助成金です。
 定額制訓練 : e-ラ-ニング研修サービスの訓練の人材育成助成金です。
 自発的職業能力開発訓練 : 従業員の自発的なIT訓練への企業の支援に対する助成です。
 長期教育訓練休暇等制度 : 長期・短期の教育訓練休暇を与える制度適用への助成金です。

事業展開等リスキリング支援コース : 新たな事業展開等に伴う訓練実施の助成。
 
雇用調整助成金 : 休業した上の教育訓練に上乗せされます。
早期再就職支援等助成金 雇入れ支援コース : 再就職の労働者の教育が入っています。
業務改善助成金 : 教育訓練も賃上げ設備投資の対象になります。
65 歳超雇用推進助成金 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース : 高齢者の訓練も雇用管理の対象です。

委託型の助成金
求職者支援制度(認定職業訓練実施奨励金) : 職業訓練学校の役割をする事業所向けです。
職場適応訓練費 : あまり使われませんが、障害者の方にいい場合があります。

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事業展開等リスキリング支援コース

人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース

「人への投資」を行うための、新しいスキルを広範囲に付けるための人材育成助成金です。

★ どんな助成金?

新規事業の立ち上げなどの事業展開に伴い、事業主が雇用する労働者に対して新たな分野で必要となる知識及び技能を習得させるための訓練を計画に沿って実施した場合等に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成します。

★ いくらもらえる?
       
経費助成 中小企業 75% 大企業 60%
賃金助成 中小企業  960円  大企業 480円

限度額
・経費助成
訓練時間により10~99時間:30万円、100~199時間:40万円、200時間以上:50万円
・賃金助成
1200時間 専門実践教育訓練については1,600時間

専門実践教育訓練の指定講座の訓練については、一律「200時間以上」の区分となります。
eラーニング及び通信制による訓練等(標準学習時間が定められているものは除く。)については、
一律「10時間以上99時間」の区分となります。
定額制サービスによる訓練の場合は、訓練時間数に応じた限度額は設けません。
1事業所当たりの限度額は年間1億円です。

★ 受給のポイント

実務の構造は、他の人開金と変わりません。要はどう「リスキリングらしい」訓練をするか?です。その訓練をすれば、他のコースよりも金額が上がるのです。事業展開、DX化、グリーン化の3つのカテゴリーがあります。

◆「事業展開」とは
新たな製品を製造し又は新たな商品もしくはサービスを提供すること等により、新たな分野に進出すること。このほか、事業や業種を転換することや、既存事業の中で製品又は商品若しくはサービスの製造方法又は提供方法を変更する場合も事業展開にあたります。

▶例:・新商品や新サービスの開発、製造、提供又は販売を開始する
・日本料理店が、フランス料理店を新たに開業する
・繊維業を営んでいた事業主が、医療機器の製造等、医療分野の事業を新たに開始する
・料理教室を経営していたが、オンラインサービスを新たに開始する 等

◆「デジタル・デジタルトランスフォーメーション(DX)化」とは
ビジネス環境の激しい変化に対応し、デジタル技術を活用して、業務の効率化を図ることや、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

▶例:・ITツールの活用や電子契約システムを導入し、社内のペーパーレス化を進めた
・アプリを開発し、顧客が待ち時間を見えるようにした
・顔認証やQRコードなどによるチェックインサービスを導入し手続きを簡略化した 等

◆「グリーン・カーボンニュートラル化」
徹底した省エネ、再生可能エネルギーの活用等により、CO2等の温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること。

▶例:・農薬の散布にトラクターを使用していたが、ドローンを導入した
・風力発電機や太陽光パネルを導入した 等

★流れ

要件の確認

「事業内計画」の作成

カリキュラムの確認

計画の提出:訓練開始1か月前までに。

訓練の実施

支給申請:訓練が終わってから2カ月以内

★まず何をするか?

リスキリングのうち事業展開かデジタルかグリーンか、どれに当てはまるか確認し、カリキュラムを確定しましょう。

長期教育訓練休暇等制度

人材開発支援助成金 人への投資促進コース 長期教育訓練休暇等制度
長期・短期の教育訓練休暇を与える制度適用への助成金です。

★ どんな助成金?

より長い教育訓練休暇制度や教育訓練短時間勤務等制度を導入し、労働者の自発的な職業能力開発を促進した場合の助成です。他により短いものの教育訓練休暇等付与コースもあります。

★ いくらもらえる?

・賃金助成:1人1時間あたり960円(大企業760円)賃金・資格手当要件を満たす場合大企業のみ200円増し、最大1,600時間まで。長期教育訓練休暇等制度についております。短時間勤務等は対象外です。1人150日まで。人数は制限なし。

・制度導入経費助成(新規導入のみ)限度額20万円、賃金・資格等手当要件達成24万円、制度導入助成1回のみ。長期教育訓練休暇等制度、短時間勤務等両方おります。

経費助成の対象となるのは、長期教育訓練休暇制度または教育訓練短時間勤務等制度を新たに導入し、要件を満たす制度を被保険者に適用させた事業主のみです。既に長期教育訓練休暇制度を導入済みの事業所は、賃金助成のみ対象となります。

★ 受給のポイント

要件に合った事業所が、以下のような休暇を与える制度を作るかどうかです。

長期教育訓練休暇制度とは?

教育訓練を受けるために必要な有給・無給の長期にわたる休暇(年次有給休暇を除きます。)を被保険者に与え、自発的職業能力開発を受ける機会の確保等を通じた職業能力開発および向上を促進する制度。

所定労働日において30日以上の長期教育訓練休暇制度を就業規則または労働協約に当該制度の施行日を明記して規定すること。

教育訓練短時間勤務等制度とは?

教育訓練を受けるために必要な所定労働時間の短縮および所定外労働時間の免除(制度利用開始日の前日以前3か月間の1月の平均の所定外労働時間が15時間以上である者に対して、これを免除する場合に限る。)のいずれも就業規則等において措置し、自発的職業能力開発を受ける機会の確保等を通じた職業能力開発および向上を促進する制度。

所定労働日において30回(1日1回とみなす)以上の所定労働時間の短縮および所定外労働時間の免除のいずれも利用することが可能な教育訓練短時間勤等制度を就業規則または労働協約に当該制度の施行日を明記して規定すること。

★流れ

事業内計画等を出してから計画を受理されて、その後制度を作ってから、対象者に制度を適用し(休暇を与え)、その後支給申請する流れになります。休暇の最終取得日か150日目か、どちらか早い方で2か月以内に支給申請をします。

★まず何をするか?

どの方にどういう休暇を与えて、どういう戦略でそれを活かすのか確定し、それが決まれば、事業内計画⇒計画届の策定に入ります。

自発的職業能力開発訓練

人材開発支援助成金 人への投資促進コース 自発的職業能力開発訓練
従業員の自発的なIT訓練への企業の支援に対する助成です。

★ どんな助成金?

労働者が自発的に受講した訓練費用を負担する事業主への助成です。労働時間外において労働者の申出により実施される訓練が「自発的」と判断されます。既に自発的職業能力開発経費負担制度を就業規則に定め、適用実績がある事業主も対象となります。

★ いくらもらえる?

1年度限度額 200万円 1人1年3回まで
賃金助成:なし
経費助成、助成率 45%、賃金・資格手当要件達成60%

経費助成限度額
実訓練時間100時間未満 7万円 
100~200時間未満 15万円 
200時間以上 20万円 
大学1年度あたり60万円、大学院国内60万円、海外200万円

★ 受給のポイント

事業所は自発的職業能力開発経費負担制度(会社の補助2分の1以上)を定めるとともに、その制度に基づき、被保険者に対して経費を負担する事業主であることが必要です。

以下のような教育をやるかどうかです。やるとなれば、まず事業内計画等を労働局に出して、自発訓練の制度を導入し、計画を出して受理されてから訓練を実施し、支給申請する流れになります。

どのような訓練か?
・自発的職業能力開発経費負担制度を利用し、被保険者が自発的職業能力開発を行うために実施する訓練であること
・実訓練時間数が20時間以上であること。eラーニングにより実施する訓練および通信制により実施する訓練も対象になることがあります。
・職務に関連した専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練(職務関連訓練)であること。共通スキル訓練(マナーなど)は、助成対象となりません。
・事業外訓練であること。

定額制訓練

人材開発支援助成金 人への投資促進コース 定額制訓練
「サブスクリプション的な」の訓練の人材育成助成金です。

★ どんな助成金?

教育訓練の中でも、労働者の多様な訓練の選択・実施を可能する定額受け放題研修サービス(サブスクリプション)を行う企業向けです。この訓練は、事業外の学校などで、コンピュータなど情報通信技術を活用した遠隔講習であって、訓練の受講管理のためのシステム(Learning Management System.「LMS」)により、受講者および支給対象事業主に雇用される訓練担当者との双方により訓練の進捗管理が行えるものをいいます。

★ いくらもらえる?

1年度限度額 1,500万円 1人1年の支給回数の制限なし

賃金助成:なし
経費助成、助成率 
中小企業60%、賃金・資格等手当要件達成75%、
大企業45%、賃金・資格等手当要件達成60%
大学はなし

★ 受給のポイント

訓練をやる、支給申請をする事業所はLMS等により訓練の進捗管理を行える機能等を有していることが必要ですが、それ以外は業種等の要件はありません。確認するためのその会社が以下のような教育をやるかどうかです。支給対象訓練としては、職務関連訓練であることが必要です

どのような訓練か?
・定額制サービスによる業務上義務付けられ、労働時間に実施される訓練であること
・OFF-JTであって、事業外訓練(外部業者に委託して行うもの)であること。
・広く国民の職業に必要な知識および技能の習得を図ることを目的としたものであること。
・各支給対象労働者の受講時間数を合計した時間数が、支給申請時において10時間以上。1時間以上訓練する複数の方を合わせて10時間以上であれば結構です。
・受講を修了した教育訓練が一の職務関連訓練でないこと。事業所全体で複数の異なる職務関連訓練の受講を修了すること。

やるとなれば、まず事業内計画等を労働局に出して受理されてから訓練を実施し、支給申請する流れになります。特定の事業主に対して提供することを目的として設立される施設によるサービスは除きます。インターネット上で、広く国民にサービスを提供していない施設や訓練は、支給対象外になることがあります。

支給対象経費

事業外の学校などの訓練の、基本料金のほか、次のオプション経費として訓練に直接要する経費が助成対象となります。例えば、「初期設定費用」「アカウント料」「管理者ID付与料金」「修了証の発行」「IPアドレス制限機能」「データ容量追加料金」「LMSの管理者研修」などは対象になり得ます。

「タブレットレンタル」「ルーターレンタル」「LMSの入力代行サービス」などは直接関係がないので対象外です。また契約方法について、より額が高いものや、人数のわりに額が高いもの、対象外訓練を含む場合には、その部分は対象外になります。

情報技術分野認定実習併用職業訓練

人材開発支援助成金 人への投資促進コース 情報技術分野認定実習併用職業訓練

IT分野未経験者向けの訓練の人材育成助成金です。

★ どんな助成金?

訓練の中でも、IT分野未経験者に対する、やや長期のOFF-JTとOJTの組み合わせ型の訓練を行う企業向けです。

★ いくらもらえる?

1年度限度額 1,200万円 1人1年1回まで

賃金助成
1時間あたり中小企業760円、賃金・資格手当要件達成960円
大企業380円、賃金・資格等手当要件達成480円

経費助成、
助成率 
中小企業60%、賃金・資格等手当要件達成75%、
大企業45%賃金・資格等手当要件達成60%

経費助成限度額
実訓練時間100時間未満 中小企業15万円 大企業10万 1回まで。
100~200時間未満 中小企業30万円 大企業20万
200時間以上 中小企業50万円 大企業30万
大学に行った場合の助成はなし

★ 受給のポイント

事業所は主たる事業が日本標準産業分類の大分類の「情報通信業」であること、IT関連業務を主に担う組織やDXを推進する組織を有していることが必要です。やや初歩的な未経験者を育てる以下のような教育をやるかどうかです。

・IT関係の資格(ITSSレベル2以上3や4)取得している者または実務経験が10年以上の者であるOJT指導者により実施されるOJT(「IT関連業務を主に担う組織やDXを推進する組織を有していること」の要件を用いる企業の場合に限ります)比較的簡単なカリキュラムでイケます。

・次の要件を満たし、大臣認定(職業能力開発促進法第26条の3)を受けた訓練
① 企業内におけるOJTと教育訓練機関で行われるOFF-JTを効果的に組み合わせて実施する訓練。
② 訓練実施期間が6か月以上2年以下であること
③ 総訓練時間数が1年当たりの時間数に換算して850時間以上であること
④ 総訓練時間数に占めるOJTの割合が2割以上8割以下であること

やるとなれば、まず事業内計画等を大臣認定として出します。受理され、次に労働局に計画を出して受理されてから、訓練を実施し、支給申請する流れになります。

厚労省(大臣認定)と労働局、2つの計画が必要な訓練です。情報処理・通信技術者の職種に関連する業務に必要となる訓練で、職業人として共通して必要となる共通スキル訓練は、OFF-JTの実訓練時間数に占める割合が半分未満であれば認められます。

対象労働者
次のいずれかに該当する15歳以上45歳未満(訓練開始日時点)の労働者です。
・新たに雇い入れた者(雇い入れ日から訓練開始日までが3か月以内である者に限る)
・大臣認定の申請前に既に雇用されている短時間等労働者であって、引き続き、同一の事業主において、通常の労働者に転換した者(通常の労働者への転換日から訓練開始日までが3か月以内である者に限る)
・大臣認定の申請前に既に雇用する通常の労働者であること。

成長分野等人材訓練

人材開発支援助成金 人への投資促進コース 成長分野等人材訓練
高度デジタル訓練(海外や国内の大学院に行くような訓練)対象です。

★ どんな助成金?
訓練の中でも、高度な技術を持つIT企業が、成長分野(デジタル・グリーン分野等)などでのイノベーションを推進する高度人材を、大学院で育成するための高率助成が行われるようなカリキュラムに対する助成です。

★ いくらもらえる?

賃金・資格等手当要件の対象になりません。1年度限度額 1,000万円 1人1年3回まで

賃金助成
1時間あたり企業規模問わず国内大学院960円 限度額、原則1,200時間 大学院等は1,600時間 海外は賃金助成なし。

経費助成
助成率 大学院に行く場合にのみ経費助成75%、国内150万円、海外大学院500万円

★ 受給のポイント

要件に合った事業所が、以下のような教育をやるかどうかです。やるとなれば、事業内計画等を出して受理されてから計画を出し、訓練を実施し、支給申請する流れになります。

対象企業・・・高度人材を育成できる地盤を持った企業や人材を大学に行かせる企業です。
DX推進や成長分野などでのイノベーションを推進する高度人材を育成するためのカリキュラム。それを行う主たる事業が日本標準産業分類の大分類の「情報通信業」であり、以下のいずれかを満たす事業主であること。

・産業競争力競争法に基づく事業適応計画(情報技術事業適応)の認定を受けていること
・DX認定(IPA独立行政法人 情報処理推進機構に指標を提出 )を受けていること
・DX推進指標を用いて、経営幹部、事業部門、IT部門などの関係する者で自己診断を行い、この自己診断を踏まえた「事業内職業能力開発計画」を作成していること。

どのような訓練が対象になるか?

実訓練時間数が10時間以上で、OFF-JTで、職務に関連した専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練であること。大学院(海外の大学院を含む)の正規課程、科目等履修制度、履修証明プログラムであること。修士・博士課程問わず対象となり、国内大学院の場合は分野を問いません。海外の大学院の場合は以下のいずれかが対象になります。

①デジタル技術を活用したビジネスモデルの変革に関連する分野(情報科学・情報工学およびそれに関連する分野)
②クリーンエネルギー、バイオ、宇宙等の先端技術やイノベーションに関わる分野(理工学)
③経営に関する分野であって人材開発統括官が定めるもののいずれかに関連するものであることが必要です。

高度デジタル人材訓練

人材開発支援助成金 人への投資促進コース 高度デジタル人材訓練
高度デジタル訓練(ITスキル標準(ITSS)レベル3、4以上)対象です。

★ どんな助成金?

訓練の中でも、高度な技術を持つIT企業が、DX推進などでのイノベーションを推進する高度人材を育成するための高率助成が行われるようなカリキュラムに対する助成です。

★ いくらもらえる?

賃金・資格等手当要件の対象になりません。1年度限度額 1,500万円 1人1年3回まで

賃金助成
1時間あたり中小企業960円、大企業480円

経費助成
助成率 中小企業75%、大企業60%

経費助成限度額
実訓練時間100時間未満 中小企業30万円 大企業20万 3回まで。
100~200時間未満 中小企業40万円 大企業25万
200時間以上 中小企業50万円 大企業30万
大学1年度あたり 中小企業150万円 大企業100万

★ 受給のポイント

要件に合った事業所が、以下のような教育をやるかどうかです。やるとなれば、事業内計画等を出して受理されてから計画を出し、訓練を実施し、支給申請する流れになります。

対象企業・・・高度人材を育成できる地盤を持った企業や人材を大学に行かせる企業です。
DX推進や成長分野などでのイノベーションを推進する高度人材を育成するためのカリキュラム。それを行う主たる事業が日本標準産業分類の大分類の「情報通信業」であり、以下のいずれかを満たす事業主であること。

・産業競争力競争法に基づく事業適応計画(情報技術事業適応)の認定を受けていること
・DX認定(IPA独立行政法人 情報処理推進機構に指標を提出 )を受けていること
・DX推進指標を用いて、経営幹部、事業部門、IT部門などの関係する者で自己診断を行い、この自己診断を踏まえた「事業内職業能力開発計画」を作成していること。

どのような訓練を行うか?

実訓練時間数が10時間以上で、OFF-JTで、職務に関連した専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練であること。次のいずれかの訓練であること。

・ITSS(ITスキル標準)レベル4または3となる事業内訓練または事業外訓練であること。
(高度情報通信技術資格の取得のための訓練または第四次産業革命スキル習得講座)
・大学への入学(情報科学・情報工学およびそれに関連する分野)
大学(大学院を除く)により実施される正規課程、科目履修制度、履修証明制度による訓練が対象です。

人への投資促進コース

人材開発支援助成金 人への投資促進コース
「人への投資」を行う人材育成助成金です。6つの対象訓練があります。

★ どんな助成金?

「新しい資本主義」政策において、ヒトへの投資を強化するため、デジタル人材の育成や自発的能力開発、定額制訓練などへの助成を行うものです。対象企業がコースによっては限定されますが、広がりのある訓練助成金になっています。今のところ、令和4年度から6年度までの3年間の時限措置です。

★ いくらもらえる?

1と2以外は賃金・資格手当要件の対象です。

1,高度デジタル人材訓練・・・賃金助成限度額:1時間最大960円。
⇒経費助成、助成率最大75%、限度額:最大150万円 3回まで。

2,成長分野等人材訓練・・・賃金助成:1時間960円。
⇒経費助成、助成率75%、限度額:国内150万円、海外500万円。1回まで。

3,情報技術分野認定実習併用職業訓練・・・賃金助成限度額:1時間最大960円。
⇒経費助成、助成率最大75%、限度額:最大50万円。

4,定額制訓練
⇒経費助成、助成率最大60%

5,自発的職業能力開発訓練
⇒経費助成、助成率最大45%、限度額:最大国内60万円、海外200万円。3回まで

6,長期教育訓練休暇等制度・・・賃金助成:1日最大7,200円、150日まで。
⇒制度導入経費助成、最大24万円、限度額:制度導入助成1回のみ。

★ 受給のポイント

要件に合った事業所が、以下のような教育をやるかどうかです。やるとなれば、事業内計画等を出して受理されてから計画を出し、制度導入がその計画に前後して、訓練を実施し、支給申請する流れになります。情報技術分野認定実習併用職業訓練以外は、非正規労働者でも対象になります。

1,高度デジタル人材訓練

実訓練時間数が10時間以上で、OFF-JTで、職務に関連した専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練であること。次のいずれかの訓練であること。

・ITSSレベル4または3となる事業内訓練または事業外訓練であること。
・大学(大学院を除く)により実施される正規課程、科目履修制度、履修証明制度による訓練。

対象の企業は、DX推進や成長分野などでのイノベーションを推進する事業が「情報通信業」であり、産業競争力競争法に基づく事業適応計画(情報技術事業適応)の認定を受けていること、DX認定を受けていること、DX推進指標を用いて、経営幹部、事業部門、IT部門などの関係する者で自己診断を行い、この自己診断を踏まえた「事業内職業能力開発計画」を作成していることが必要です。

2,成長分野等人材訓練

実訓練時間数が10時間以上で、OFF-JTで、職務に関連した専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練であること。大学院(海外の大学院を含む)の正規課程、科目等履修制度、履修証明プログラムであること。修士・博士課程問わず対象となり、国内大学院の場合は分野を問いません。海外の大学院の場合は以下のいずれかが対象になります。

①デジタル技術を活用した情報科学・情報工学およびそれに関連する分野等
②クリーンエネルギー、バイオ、宇宙等の先端技術やイノベーションに関わる分野等
③経営に関する分野であって一定の関連するものであること。

対象の企業は、高度デジタル人材訓練と同じです。

3,情報技術分野認定実習併用職業訓練

厚労省(大臣認定)と労働局、2つの計画が必要な訓練です。情報処理・通信技術者の職種に関連する業務に必要となる訓練で、共通スキル訓練は、OFF-JTの実訓練時間数に占める割合が半分未満であれば認められます。

・ITSSレベル2以上取得している者または実務経験が10年以上の者であるOJT指導者により実施されるOJT

・次の要件を満たし、大臣認定を受けた訓練
① OJTと教育訓練機関のOFF-JTを組み合わせて実施する訓練であること
② 訓練実施期間が6か月以上2年以下であること
③ 総訓練時間数が1年当たりの時間数に換算して850時間以上であること
④ 総訓練時間数に占めるOJTの割合が2割以上8割以下であること

事業所には主たる事業が日本標準産業分類の大分類の「情報通信業」であること、IT関連業務を主に担う組織やDXを推進する組織を有していることが必要です。

4,定額制訓練

・定額制サービスによる業務上義務付けられ、労働時間に実施される訓練であること
・OFF-JTであって、事業外訓練であること。
・広く国民の職業に必要な知識および技能の習得を図ることを目的としたものであること
・対象労働者の受講時間数を合計した時間数が、支給申請時において10時間以上であること。
・受講を修了した教育訓練が事業所全体で複数の異なる職務関連訓練であること。

5,自発的職業能力開発訓練

・自発的職業能力開発経費負担制度を利用し実施する訓練であること
・実訓練時間数が20時間以上であること。e-ラーニングおよび通信制も対象になります。
・職務関連で、事業外訓練であること

6,長期教育訓練休暇等制度等

長期教育訓練休暇制度とは?
教育訓練を受けるために必要な有給・無給の長期にわたる休暇を被保険者に与え、自発的職業能力開発を受ける機会の確保等を通じた職業能力開発および向上を促進する制度。前の助成金(教育訓練休暇付与コース)の時に比べて、賃金助成の人数制限を撤廃し、既に制度を導入した事業主も、一定の要件で賃金助成の対象となり、休暇が「1年以内」の要件が撤廃されました。

教育訓練短時間勤務等制度とは?
教育訓練を受けるために必要な所定労働時間の短縮および所定外労働時間の免除(制度利用開始日の前日以前3か月間の1月の平均の所定外労働時間が15時間以上である者に対して、これを免除する場合に限る。)のいずれも就業規則等において措置し、自発的職業能力開発を受ける機会の確保等を通じた職業能力開発および向上を促進する制度。

建設労働者技能実習コース

人材開発支援助成金 建設労働者技能実習コース 

★ どんな助成金?

雇用している雇用保険被保険者である建設労働者に、所定労働時間内に受講させ、その期間の所定
労働時間に労働した場合に支払われる通常の賃金の額以上の賃金を支払った場合に助成対象となります。

所定労働時間外又は所定労働日以外の休日等に技能実習を受講させた場合は、通常の賃金に加えて所定の割増をした額の賃金以上の額を支給することが必要です。

(経費助成)
中小含む建設事業主又は中小含む建設事業主団体が、雇用する建設労働者(雇用保険被保険者に限る)に対して、技能実習を行うこと又は登録教習機関等で行う技能実習を受講させる場合に支給されます。

また、雇用する女性の建設労働者(雇用保険被保険者に限る)に技能実習を行うこと又は登録教習機関等で行う技能実習を受講させる場合にも支給されます。いずれも有休での実施が前提です。

(賃金助成)
中小建設事業主が、雇用する建設労働者(雇用保険被保険者に限る)に対して、技能実習を受講させる場合に支給されます。有給で技能実習を実施または受講させた事業主が対象となります。

★ いくらもらえる?

(経費助成)

【雇用保険被保険者数20人以下の中小建設事業主】
支給対象経費の3/4<賃金・資格手当要件が認められる場合3/20>

【雇用保険被保険者数21人以上の中小建設事業主】
35歳未満・・・支給対象経費の7/10<賃金・資格手当要件が認められる場合+3/20>
35歳以上・・・支給対象経費の9/20<賃金・資格手当要件が認められる場合+3/20>

【中小建設事業主以外の建設事業主】
支給対象経費の3/5<賃金・資格手当要件が認められる場合3/4>(女性のみ)

【中小建設事業主団体】
支給対象経費の2/3 被災三県(岩手県、宮城県、福島県)については支給対象経費の10/10

(賃金助成)

1つの技能実習について1人1日あたり次の金額

【20人以下の中小建設事業主】8,550円 

建設キャリアアップシステム登録者については9,405円
賃金・資格手当要件を満たす場合には+2,000円

【21人以上の中小建設事業主】7,600円 
賃金・資格手当要件を満たす場合には+1,750円
建設キャリアアップシステム登録者については8,360円

中小建設事業主:建設事業主のうち資本金の額が3億円以下又は常時雇用する労働者が300人以下であるもの。 1事業所への1の年度(支給申請年月日を基準とし、4月1日から翌年3月31日まで)の技能実習コースに係る経費助成、賃金助成及び賃金向上助成・資格等手当助成の合計額の上限額は500万円。

★ 受給のポイント

助成の対象となる技能実習は次のすべての要件を満たす必要があります。

(1)1日1時間以上であること。また、①、⑤及び⑦については、合計10時間以上
①には実技・学科の時間の割合は問いませんが、1時間以上は実技の時間を設けること、1日の時間数が1時間以上であっても、訓練と直接関連のない単なる開・閉講式やオリエンテーションなどは、助成の対象となりません。

(2)技能実習の期間は最長でも6か月以内とすること

(3)下①、⑤(登録教習機関等へ委託する場合を除く)の実習の指導員は、その実習の内容に直
接関連する職種に関する職業訓練指導員免許を有する者、1級技能検定に合格した者、その他管
轄労働局長がこれらと同等以上の能力があると認める者であること

① 建設工事における作業に直接関連する実習(②から⑥以外のもの)
② 労働安全衛生法で定める特別教育
③ 労働安全衛生法に基づく危険有害業務従事者に対する安全衛生教育
④ 労働安全衛生法に基づく教習及び技能講習
⑤ 職業能力開発促進法に規定する技能検定試験のための事前講習
⑥ 建設業法施行規則に規定する登録基幹技能者講習
⑦ 技能継承に係る指導方法の向上のための講習

職場訓練(労働者を日常の職場で業務に就かせたまま行う訓練)及び営業活動の一環として行う
技能実習は助成の対象になりません。※労働者本人から技能実習に要した費用を徴収する場合は助成の対象になりません。確認のため、現金出納帳等の会計帳簿の提出を求めることがあります。

認定訓練(都道府県より補助又は助成を受けて行われる場合)は助成の対象になりません。認定実習型コースの対象(都道府県と厚労省の2階建て)になります。

また、以下のものも技能実習になります。

(1)建設業法で定める技術検定に関する講習であり、受講を開始する日において雇用保険法で定め
る教育訓練給付金の支給対象であること(「通学制」の講座として指定を受けたものに限る)

(2)雇用保険法に定める指定教育訓練実施者に委託して行うこと

建設業法で定める技術検定の検定種目は以下のとおりです。

・建設機械施工、土木施工管理、建築施工管理
・電気工事施工、管理管工事施工管理、造園施工管理

令和3年3月31日までの特例
また、特例として若年労働者等の育成と熟練技能の維持・向上を図るため、中小建設事業主が雇用する建設労働者に対して、自ら技能実習を行う場合や委託して登録教習機関等で行う技能実習を受講させた場合、技能実習受講中に支払われた給与の一部を助成します。

建設労働者認定訓練コース

人材開発支援助成金 建設労働者認定訓練コース

★ どんな助成金?

(経費助成)
中小建設事業主又は中小建設事業主団体(職業訓練法人など)が、職業能力開発促進法による認定職業訓練を受けさせる場合の助成金です。都道府県の広域団体認定訓練助成金の支給または認定訓練助成事業補助金の交付を受けている認定職業訓練であることが必要です。2階建ての助成金です。

(賃金助成)
中小建設事業主が、雇用する建設労働者に対して、有給で認定職業訓練を受けさせる場合の助成金です。職業能力開発促進法に定める指導員訓練のうち、別表に定める建設関連の訓練に限ります。経理事務・営業販売などの訓練は対象とはなりません。人材開発支援助成金(人材育成支援コース)の支給申請が必要です。これも2階建てです。

★ いくらもらえる?

(経費助成)

広域団体認定訓練助成金の支給又は認定訓練助成事業費補助金の交付を受けて都道府県が行う助成により助成対象経費とされた額の6分の1に相当する額です。

(賃金助成)
一人あたり日額3,800円< 賃金・資格手当要件が認められる場合4,800円>ただし、1事業所への1の年度の建設労働者認定訓練コース(賃金助成)に係る支給額の合計として1,000万円が上限となります。

★ 受給のポイント

〇 受給できる中小建設事業主

次の要件のすべてに該当する中小建設事業主

・雇用保険の適用事業主であること
・雇用する建設労働者に対して認定訓練を受講させ、その期間、通常の賃金の額以上の賃金を支払うこと
・雇用保険法施行規則による人材開発支援助成金(人材育成支援コース)の支給決定を受けたこと
・雇用管理責任者を選任していること

人材開発支援助成金(人材育成支援コース)は訓練実施1か月前までに事前の計画届等の提出が必要です。

教育訓練休暇付与コース

人材開発支援助成金 教育訓練休暇付与コース

★どんな助成金?

教育のための休暇制度を、従業員のキャリア形成促進のためのツールとして活用し、企業内における人材育成を促進するための取組を行った事業主等に対する助成です。3年に5日以上与えるものがあります。さらに与える長期のもの、逆に短期のものは別な助成金に移管されています。

★いくらもらえる?

教育訓練休暇制度(教育訓練のための休暇制度を導入する制度)を就業規則などに規定し、従業員に実施した事業主に、一定額を助成します。

◆ 教育訓練休暇等制度
経費助成のみ。賃金助成ありません。
助成30万円です。賃金・資格手当要件を満たす場合36万円。

長期・短期教育訓練休暇制度・・・人材開発支援助成金 人への投資促進コース参照。

中小企業のみ受給可能です。

★受給のポイント

◆ 教育訓練休暇等制度

3年間に5日以上の取得が可能な有給教育訓練休暇制度を就業規則又は労働協約に施行日を明記して規定するものであること。支給申請も3年後になります。

従業員の方から、自発的な参加の意思を示した訓練休暇を与える制度で、有給休暇に限ります。OJTや業務命令の教育などは対象になりません。3年の適用計画期間内の各年毎に1人以上当該休暇を与える必要があります。一度に与えると対象外になります。

教育訓練、各種検定、キャリアコンサルティングのいずれかを受講が対象となります。

制度の導入の証として、就業規則の改定等が必要です。また、企業規模ごとに、最低適用被保険者数(非正規社員含む)があります。

雇用する被保険者数100人未満 ・・・最低適用人数:1人
雇用する被保険者数100人以上 ・・・最低適用人数:5人

それぞれ支給申請までの1年ごとに、1年目:1人、2年目:1人、3年目:1人あるいは1年目:5人、2年目:5人、3年目:5人と与える必要があります。
それぞれの対象者は1年目:A氏、2年目:B氏、3年目:C氏・・・という感じで、バラバラでも全部A氏でも構いません。

過去の関連記事 新労社 おりおりの記
企業内人材育成推進助成金のキモ

27年度“組合”向けの雇用関係助成金

有期実習型訓練

人材開発支援助成金  人材育成訓練コース 有期実習型訓練

有期実習型訓練を非正規労働者向けに行った場合の助成です。

★ どんな助成金?

職務に関連した専門的な知識及び技能の習得をさせるための10時間以上の職業訓練等(原則OFF-JT+OJT)を事業主もしくは事業主団体等が実施する場合の助成メニューです。eラーニングと 通信制による訓練にも、助成金を支給します。以下の人材によって助成額・率が違います。以前あった「特別育成訓練コース」の改訂版です。対象の訓練は以下の通りです。

・有期契約労働者等への訓練(非正規社員向け)
・有期契約労働者⇒正規雇用労働者に転換する訓練

★ いくらもらえる?

中小企業か、大企業かによって支給額や支給率が違います。

中小企業
・OFF-JT(賃金助成)
 1 人1 時間あたり760円<賃金・資格手当要件クリア960円>( 1訓練コース1人1,200時間分を上限)

・OFF-JT(経費助成)…有期契約労働者の場合60%正規雇用労働者に転換70%
1人当たりOff-JTの訓練時間数に応じた額 (実費が次の額を下回る場合は実費を限度)
1人1コース当たりの訓練時間が・・・
10時間以上100時間未満・15万円(大企業10万円)
100時間以上200時間未満・30万円(大企業20万円)
200時間以上・50万円(大企業30万円)

・OJT(実施助成)
 1 人1 コースあたり10万円<賃金・資格手当要件クリア13万円>(1年度1事業所1,000万円を上限)

大企業
・OFF-JT(賃金助成)…有期契約労働者の場合60%正規雇用労働者に転換70%
1 人1 時間あたり380円<賃金・資格手当要件クリア480円>( 1訓練コース1人1,200時間分を上限)

・OFF-JT(経費助成)
なし

・OJT(実施助成)
 1 人1 時間あたり9万円<賃金・資格手当要件クリア12万円>(1年度1事業所1,000万円を上限)

★ 受給のポイント

有期実習型訓練とは 「ジョブ・カード」を活用したOff-JTとOJTを組み合わせた2~6か月の職業訓練です。独特のカリキュラムに「翻訳」が必要です。そういうカリキュラムが作られるかどうかが勝負です。

訓練対象者は以下の通りです。非正規労働者という以外に必要です。

① ジョブ・カード作成アドバイザー等により、職業能力形成機会に恵まれなかった者として事業主が実施する有期実習型訓練に参加することが必要と認められ、ジョブ・カードを作成した者
② 正規雇用労働者等として雇用することを約して雇い入れられた者ではないこと
③ 有期実習型訓練を実施する事業主の事業所において、訓練の終了日または支給申請日に雇用保険被保険者であること
④ 事業主が実施する有期実習型訓練の趣旨、内容を理解している者であること
⑤ 他の事業主が実施した公共職業訓練、求職者支援訓練、実習併用職業訓練または有期実習型訓練を修了後6か月以内の者でないこと
⑥ 同一の事業主が実施した公共職業訓練、求職者支援訓練、実習併用職業訓練または有期実習型訓練を修了した者でないこと。

訓練内容は以下の通りです。

・OJTとOFF-JTを効果的に組み合わせて実施する訓練であること
・訓練実施期間が2か月以上であること
・総訓練時間が6か月当たりの時間数に換算して425時間以上であること
・総訓練時間に占めるOJTの割合が1割以上9割以下であること
・訓練終了後にジョブ・カード様式3-3-1-1 「職業能力証明(訓練成果・実務成果)シート(企業実習・OJT用)」により職業能力の評価を実施すること

★流れ

要件(これをやらないと助成金もらえない)の確認

「事業内計画」の作成

カリキュラムの確認

計画の提出:訓練開始1か月前までに。

訓練の実施

支給申請:訓練が終わってから2カ月以内

★まず何をするか?

まずはカリキュラム(日付、時間、科目、内容、テキスト、講師名、受講者名)を作成し、OJT、OFF- JT、実習それぞれまとめましょう。それがある程度レベルの高いもの(社会人マナーや名刺の渡し方などはちょっとだけなら含めることができる)であることが必要です。それを計画届と添付書類にまとめます。

参考記事

人を育てましょう!人開金
最古最易の人事制度:事業内職業能力開発計画

求職者支援制度(認定職業訓練実施奨励金)

他の教育助成金のような「雇用型訓練」と違い「委託型訓練」の助成金です。職業訓練校の代わりとして、教育訓練をしていただくものです。

★ どんな助成金?

雇用保険を受給できない離職者に、各種学校や、企業研修機関、NPO法人、一般企業の事業主などが、訓練実施計画の認定を受けて行う、受講費無料の職業訓練があります。それを行う団体や事業主に支給されます。受講生に払われるものは、職業訓練受講給付金(月10万円)といいます。

★ いくらもらえる?

訓練を行った機関について、公共職業安定所長の受講勧奨を受けた受講者の数に、以下の月額を乗じた額が支給されます。

1、基本奨励金: 求職者支援訓練を適切に行った訓練実施機関に支給します。2種類あります。

・基礎コース:受講者数×6万円×月数(28日未満は3,000×実施日数)
・実践コース:受講者数×5万円×月数(28日未満は2,500×実施日数)

2、付加奨励金 : 「実践コース」を実施し受給した上で就職率が一定水準以上である訓練実施機関に支給します。

就職率60%以上の訓練:受講者数×2万円×月数(28日未満は1,000×実施日数)
就職率35%以上60%未満の訓練:受講者数×1万円×月数(28日未満は500×実施日数)

3、保育奨励金 : 訓練期間中(基礎および実践コース)に託児サービスの提供を行った訓練実施機関に支給します。

基本奨励金 の支給対象期間内に、実際に託児サービスの提供に要した経費の合計額です。ただし、支給単位期間ごとに「子1人につき6万6千円を上限」とします。

★ 受給のポイント

以下のような「職業訓練校」を開く意思とスペース、講師と設備があるかどうかです。後は受講生の定着率と就職率次第で助成金額が上がります。

研修の要件

・おおむね10~30人の定員であること。教室の面積は1人当たり1.65㎡以上。講師は実技は15人に1人、座学は30人に1人。
・カリキュラムは1日5~6時間。期間は1カ月~6カ月、また実施時間は100~600時間以上であること、
・受講者出欠報告書には、訓練開始時から、1か月ごとの受講者本人の署名が必要となります、等。

例えば以下のようなカリキュラムの要件があります。

〇基礎コース

基礎コースの内容には、以下の内容を含むものであること。なお、以下の基準を満たしていればその他のカリキュラムの内容は任意となること。

① 学科及び実技により実施されるカリキュラム(必須) 
② 基礎コースにおける最初の1か月目の訓練項目は、職業能力開発講習とする。

職業能力開発講習は、ビジネステクニック、ビジネスヒューマン、就職活動計画、職業生活設計の4つのカリキュラムで構成し、それぞれ以下の時間数により行うこととし、1か月単位の期間で設定すること。  

・ビジネステクニック 18時間以上  ・ビジネスヒューマン 12時間以上  ・就職活動計画  18時間以上  ・職業生活設計  12時間以上  

③  職場見学、職場体験、職業人講話等(基礎コース、実践コースともに6時間以上を必須とする。)

〇実践コース

職業能力開発講習は設定せず、実践的な技能等を習得の上、就職に直結する資格を取得できる特定の訓練コースについては、訓練期間 の下限を2月以上とする。
介護初任者研修対応コース(介護初任者の資格取得)や、メディカルクラーク等対応コース(医療事務関係の資格取得)等

受講内容は難しくなくても可ですが、やや厳しく、何度も役所に通って、カリキュラムの見直しをする必要があります。また毎年、受講者の出席、就職の成果を問われます。もし基準を満たせなければその講座は翌年度からコースを開くことができなくなります。

認定基準:過去3年以内での同程度の期間と時間の職業訓練の実績

(技能講習を実施する場合は特例あり)
・教室や事務所の設置
・就職支援責任者(ジョブ・カード作成アドバイザー)の配置
・責任者、事務担当者などの配置
・講師の配置(求職者支援訓練上の要件あり)
・キャリアコンサルティングの実施
・男女別トイレの設置 など。

関連記事

新労社 おりおりの記「助成金マニュアル、ようやく法改正網羅」

震災特例あります。

認定実習併用職業訓練

人材開発支援助成金 人材育成訓練コース 認定実習併用職業訓練

労働者に厚生労働省認定のOJT+OFF-JT訓練を受けさせた場合の助成金です。

★ どんな助成金?

OFF-JT+OJT付き訓練のうち、厚生労働大臣の認定を受けた「実習併用職業訓練(実践型人材養成システム)」を実施する事業主に対して助成金を支給します。主として新卒採用向けです。

★ いくらもらえる?

・賃金助成 1時間あたり760 円、賃金・資格手当要件満たす場合960円(大企業380 円、賃金・資格手当要件満たす場合480円)
・経費助成 実費相当額の45%、賃金・資格等手当要件満たす場合60%(大企業30%、賃金・資格等手当要件満たす場合45%)

・OJT 実施助成 1時間あたり665 円、賃金・資格等手当要件満たす場合840円(大企業380 円、賃金・資格等手当要件満たす場合480円)

賃金助成限度額

Off-JT賃金助成(1人1コース当たり)
一般の人材育成訓練コースでは1,200時間が限度時間となります。
ただし認定職業訓練、専門実践教育訓練については1,600時間が限度時間となります。

OJT実施助成(1人1コース当たり)
680時間が限度時間となります。

経費限度額

1人1コース当たりの訓練時間が・・・
20時間以上100時間未満・15万円(大企業10万円)
100時間以上200時間未満・30万円(大企業20万円)
200時間以上・50万円(大企業30万円)

★ 受給のポイント

<実習併用職業訓練(実践型人材養成システム)>
職業能力開発促進法第10条の2に規定された訓練で、教育訓練機関等で実施される座学等(OFF-JT)と事業所で実施するOJTを適切に組み合わせて実施される訓練を いいます。最大の特徴は「計画の計画」(政府認定)を出さねばならないことです。

・企業内におけるOJTと教育訓練機関で行われるOff-JTを効果的に組み合わせて実施する訓練であること
・実施期間が6か月以上2年以下であること
・総訓練時間が1年あたりの時間数に換算して850時間以上であること
・総訓練時間に占めるOJTの割合が2割以上8割以下であること
・訓練修了後にジョブ・カードにより職業能力の評価をすること

<対象労働者>
次の(1)または(2)に該当する15歳以上45歳未満の労働者

(1)新たに雇い入れた雇用保険の被保険者
(雇入れ日から訓練開始日まで2週間以内である者に限る)

(2)実習併用職業訓練実施計画の大臣認定の前に既に雇用されている
短時間等労働者であって、引き続き、同一の事業主において、通常の労働者に転換させることを目的として訓練を受ける者(原則、訓練開始日と同日付けで通常の労働者に転換する者に限る)

「短時間等労働者」

雇用保険被保険者で、次のどちらかに該当する者をいいます。
・雇用期間の定めがなく、1週間の所定労働時間が正社員の1週間の所定労働時間に比べ短く、かつ、30時間未満である労働者(パートタイム労働者など)
・雇用期間の定めのある労働者(契約社員など)

「通常の労働者」とは、短時間等労働者以外の労働者をいいます。

<対象となる経費>

消費税込みで算定します。以下のとおりです。
・事業内で自ら訓練を行う場合…部外講師の謝金(1時間当たり3万円が限度)
施設・設備の借上げ料、教材費など
・事業外の教育訓練機関で訓練を行う場合…入学料、受講料、教科書代
(あらかじめ受講案内などで定められているもの)など
・職業能力検定、キャリア・コンサルティングに要した経費

新規学卒予定者以外の者、契約社員やアルバイトの者は、キャリアコンサルタント又はジョブ・カード作成アドバイザーによるキャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードを交付されること。

人材育成訓練

人材開発支援助成金 人材育成訓練コース 人材育成訓練

すでに社にいる正社員、非正規社員向けのOFF-JT訓練の助成金です。

★ どんな助成金?

職務に関連した専門的な知識及び技能の習得をさせるための10時間以上の職業訓練等(原則OFF-JT)を事業主もしくは事業主団体等が実施する場合の助成メニューです。eラーニングと 通信制による訓練にも、助成金を支給します。以下の人材によって助成額・率が違います。

・雇用保険被保険者への訓練(正社員向け)
・有期契約労働者等への訓練(非正規社員向け)
・有期契約労働者⇒正規雇用労働者に転換する訓練

★ いくらもらえる?

・賃金助成 各訓練共通、1時間あたり760 円、賃金・資格手当要件満たす場合960円(大企業380 円、賃金・資格手当要件満たす場合480円)

・経費助成
雇用保険被保険者への訓練(正社員向け)
⇒実費相当額の45%、賃金・資格手当要件満たす場合60%(大企業30%、賃金・資格手当要件満たす場合45%)

有期契約労働者等への訓練(非正規社員向け)
⇒実費相当額の60%、賃金・資格手当要件満たす場合75%

有期契約労働者⇒正規雇用労働者に転換する訓練
⇒実費相当額の70%、賃金・資格手当要件満たす場合100%

賃金助成限度額

Off-JT賃金助成(1人1コース当たり)1,200時間が限度時間となります。

経費限度額

1人1コース当たりの訓練時間が・・・
10時間以上100時間未満・15万円(大企業10万円)
100時間以上200時間未満・30万円(大企業20万円)
200時間以上・50万円(大企業30万円)

★ 受給のポイント

・Off-JTにより実施される訓練であること
(事業主自ら企画・実施する訓練、または教育訓練機関が実施する訓練)
・助成対象訓練時間が年度内10時間以上であること

対象となる経費(消費税込み)は、以下のとおりです。
・事業内訓練
会社で自ら訓練を行う場合…部外講師の謝金(1時間当たり1.5万円が限度)
旅費、施設の借上げ費、教科書・教材の購入費、訓練コースの開発費など。
・事業外訓練
教育訓練機関で訓練を行う場合…入学料、受講料、教科書代など、あらかじめ受講案内などで定められているもの。
・職業能力検定、キャリア・コンサルティングに要した経費

対象となる賃金・・・訓練期間中の所定労働時間内の賃金について、賃金助成の対象となります。

職場適応訓練費

職場適応訓練費
社内で職業訓練を行った場合の助成金です。

★どんな助成金か?
雇用保険の受給資格者を中心に職業訓練を受けた場合、訓練を行った事業主に支給されます。訓練生は失業等給付を受け取ったまま、社内で訓練を受けます。

★ いくらもらえる?
 1ヶ月に24,000円短期の訓練は日額960円
(重度の障害者はそれぞれ25,000円、1,000円)

★ 受給のポイント

・ どういう人を雇うか?…基本は雇用保険の受給資格者ですが、次の方も受け取ることができます。
○ 45歳以上の求職者等 ○ 広域就職適格者 ○ 激甚災害地域離職者 ○ 母子家庭の母
○ 災害による内定取り消し未就職卒業者 ○ 知的障害者・精神障害者 
○ 僻地または離島の居住者

・ 設備的余裕と指導員がいること
・ 労働・社会保険に加入するか、これと同等の職員共済制度があること
・ 労働基準法および労働安全衛生法の規定する作業条件が整備されていること
・ 訓練を受けた者を雇用する見込みがあること
・ 訓練期間が通常6ヶ月、短期は2週間
(重度の障害者はそれぞれ1年、4週間)