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面白い助成金の論議

字幕番組等制作促進助成金

雇用関連の助成金ではありませんが、こういう助成金もあります。視聴覚障害者がテレビを見るための字幕、解説、手話番組を制作する公益法人に、字幕等を付けるための経費の2分の1(在京5局の字幕番組については6分の1、在阪4局の字幕番組については4分の1)を助成するものです。

この助成金に関する議論は、いくら障害者が見るといっても、果たしてアダルト関連のテレビに助成するのは是か非か、という問題です。

雇用関連の助成金は多々ありますが、いくら新規事業でも就業規則を導入しても、その企業が助成金を受けるには、「公序良俗に反しない」ことが必要です。例えば性風俗関連の企業は要件に合致してもそもそも助成金を受けられないのです。

助成金というのはそもそも、国や団体の良いと思う方向に誘導するためにおカネで釣ろう(失礼)という政策です。その「良いと思う方向」の定義が大事です。この場合問題になるのは、

○ アダルト番組を見せることがその良いと思う方向に当たるかどうか。
ということです。

健常者ならまずこれはアウトでしょう。しかし障害者のことを考えればそれは福祉という論理も成り立つのです。同じ会社の同じ雇用助成金にしても「安定した雇用の創出」という目的に必ずしも合致するかどうか、プラスになるかどうかは助成金をもらった後がどうなるかです。

訳の分からない理屈ですが、何かの役に立とうということや、ヒトの問題を解決しようという問題をおカネに換算すること、ひいては法律で定義づけようという行為自体、実は非人間的でもっとも冷酷なものかもしれません。