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大学でのマナー講師(上)

とある大学に「就職活動マナーセミナー」の講師として行きました。90分でマナーとは何か、具体的なやり方を講義するというものです。

郊外の敷地をふんだんに使った大学で、3年生を相手に講義をします。私の頃は3年生秋というとまだまだのん気で、4年に上がったらボチボチという感覚でした。しかし大学側が危機感を持って、このような講座を開いたのです。

セミナーでやるように、若干の板書を持って講義を始めました。人数は段々増えて130人くらい。寒くなったのでカラフルな格好の学生たちです。授業は遅れてくるヒトのことを慮って6~7分遅れて始まります。

まあ当たり前ですが、学生さんは余りマジメではありませんね。この時期としては仕方のないところです。しかし以前の高校の職業講座に比べると、統制する先生もいないので、ほぼ「無法」ではあります。

結構ガヤガヤしている中を、声を張り上げてマナーの実践を論じるのですが、マジメに聞いているのは3割くらいでしょうか。それでも「聞いてる率」は高い方だと事務局からお聞きしました。

私が3年の頃も決してマジメではなかったことを考えると、身につまされるものがありましたが、いざ壇上に立ってみると肝が据わるのか、ガヤガヤに負けずに大声で演説しました。

要は言いたいのは「他人を思いやるココロ」がマナーだという概論で、後は電話の取り方、名刺の渡し方という各論のサワリ程度をやるものでしたが、テキストに則ってやるマナー講座は自由な学生には退屈な面があったようです。その空気もあったので、考えていなかった実際の体験談などをアドリブで入れて対抗しました。

なるほど。次回はちょっと面白い内容にしてやろうか、と思わせる感じです。おカネを払う一般のセミナーや、統制の取れた高校と違って、自由の爛熟した大学生は、話し手にかなりの工夫が必要です。ましてや好景気で彼らはちょっとのん気なのです。

この4月の新入社員研修に比べると年齢は離れていないはずですが、自発意識は比べようもありません。学生さんは「出席カード」などを出す表情は積極性がなく、家畜のように動いている感じでした。来週も講座がありますが、テキストから離れた部分で「勝負」しようかと考えています。