« 医者の長時間労働 | メイン | 新入社員研修初年度 »

高校での「職業人」講師

埼玉の高校で招かれまして、セミナーでしゃべらせていただきました。

難関大学進学コースから、調理師養成コースまである多様性に富んだカリキュラムのある学校で、1年生150人ほどが集まります。授業の一環として、将来の設計図を今から描いておくために「職業人」のおハナシを聞こうという試みのようです。

一緒にやるのは理学療法士の先生と、企業で長年勤めてトップまで行った経営者の方です。さあどういうことを言うか、一応アウトラインは考えてきましたが、色々な進路選択をする生徒さんが一堂に会しています。どのレベルでハナシをするか悩むところです。

学校の先生に迎えていただき、講堂に入ると、もう生徒さんが大入り満員です。仲間同士で話すもの、お昼過ぎなので突っ伏して寝ているもの、鋭い目でこちらを見るもの、なるほどいろいろです。

私は社労士として、仕事は雇用・賃金という切り口で話すことになります。それを土台として、マンガの「ドラゴン桜」を引用し、分かり易くするという計画でした。

まずその通りにコトは運びましたが、雇用も賃金もキツイよ、だから勉強しましょうね、という内容にするところ、やっているうちにちょっと違う方向に行きました。

前の講師の方が長引いたので、時間が足りず、雇用・賃金について詳説しているヒマがありません。そこでドラゴン桜の「ルールに従いたくなかったらルールを作る方に回れ」というのを引用して「社労士は会社のルール(就業規則)を作るのだ」という感じで話しました。

生徒さんは高1ですから、ドラゴン桜はテレビで見ているがマンガで読んでいないようでした。生徒諸君の反応は、鋭い目で睨むものあり、寝るものありでしたが、負けないぞ!と大声を張り上げてセンセーショナルに怒鳴りまくった感じでした。

しかしマンガの赤裸々な文章を読み上げた効果はテキメンで、後半は結構真剣な目をして聞く生徒が多くなったように見えました。このドラゴン桜、結構人材マネジメントでも使えるところが多いのです。まずは私の本年セミナーの最後を飾るにふさわしい結果でした。

しかし生徒諸君が突っ伏しだすと、先生が頭を持ち上げて起こすところなどは、統制が取れているなあと思いました。社会人向けと違って高校生では、ちょっとした看過が学校の秩序を乱す元になるのを、筋金入りの現場の先生は良く知っているのです。