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特定社労士試験の実際

この1年、散々待たされたり驚かされたりした特定社労士の試験がありました。

これまでみっちり本を読んで、シケ対としてテキストに情報を集約しました。各場面における「要件事実」をまとめて繰り返し見ました。この要件事実というのは例えば管理監督者になるべき要件事実ならば、

○ 経営に関する決定に参画する権限や労務管理に関する指揮監督権がある。
○ 自分の勤務時間について自由裁量権を有している。
○ 基本給、役職手当等がその地位にふさわしいものである。
○ スタッフ職の場合、経営上の重要事項に関する企画立案などの部門に配置されラインの管理監督者と同格に位置づけられる扱いを受けている。

というような、こういう条件なら管理監督者になるよ、というものです。試験では事例が出て、それにこの要件事実を当てはめてどうするか論じる、というイメージでした。午前中の倫理の授業を経て、午後はいよいよ試験です。

しっかり準備した「要件事実」など吹っ飛びましたね。

久々の筆記試験で、しかもボールペン以外持ち込み禁止です。つまり肉付けや訂正がおいそれとできないということです。問題用紙があるのを幸い、これに下書きをして最後の30分で写そうと目論見ました。

ところが全7問の記述問題のうち、3問下書きを書いたところで半分終わってしまいました。こんなところで写しながら文章を練るヒマがなくなりました。3問大急ぎでほとんど修正なしで写して、あとの4問は直に答案に書きながら考えることにしました。

それにしても筆記試験というものは手間が思ったよりかかります。250字、200字などという字数制限もありましたが、いや「要件事実」などは考えて搾り出す時間もありません。制限をはみ出すと言われていましたが、却って字数が埋まらなくて困りました。

書くこと埋めることに主眼が行ってしまい、誤字も訂正もありませんでしたが、法律論もクソもないような答案に見えます。ボールペンをダダダダッと撃った感じです。

もっともこの試験は法律の暗記試験でも、理論のガリ勉をして受かるというものでもなく「考え方」を量ると言われていますから当然でしょう。これほど「準備」が無駄に終わった試験も珍しいです。今まで講義を聞いてゼミに参加したその「感覚」を信じるしかありません。