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紛争解決とは?

特定社労士は、紛争の解決場面まで進出してくる社労士です。そこで、では特定社労士の扱う紛争解決ってなあに?という知識が必要になってきます。

社会共同体の紛争解決とは…法による解決ではありません。基本的人権を優先的に押さえ、民主的原理を働かせて極力平和に解決しようというものです。

基本的人権とは…押さえてないと「形式的民主主義」となって、独裁国家のようになります。

民主的原理とは…
1、関係者の情報を伝える
2、様々な意見を出し合う
3、建議を繰り返す
4、より良い方法が見つかる

というパターンです。ではこの原理と相反する世界で、「紛争解決」の方法を浮き出させてみましょう。

それは「世間体」というものです。「世間さまをお騒がせして…」「世間体が悪い」の世間体です。社会共同体と世間体は紛争解決の方法が違います。世間体の紛争解決とは…
1、証人証拠優先主義:証拠や証言で安易に犯人を決め付けようとする態度です。⇔証拠証人は「裏付けるもの」であっても、判断の決定的な要素からは排除されています。
2、大声決意表明主義:大声を出した方が勝ち、というものです。
3、騒動玉砕主義:何かモメゴトがあると「辞めさせてもらいます!」「出るところへ出るぞ!」などと相手を恫喝する方法です。
4、放置穏便主義:形式的な平和を維持し、弱者を犠牲にした強者を守る風潮です。

これらの「世間体」手段は平和的な解決制度がない時代は主流でしたが、経済的に豊かになり、身分区分を重視しなければ秩序維持ができないこともなくなり、余裕も教養もある現代人にはアホたらしいこととして認識されています。

特定社労士もこういう昔ながらの紛争解決手法を批判し、克服しておく必要があります。いくら頭が良くても、安くても、便利でもダメで、紛争を解決するには社会共同体文化・習慣・教育・価値観が重要ということです。