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特定社労士の倫理問題

社労士は「倫理」を守らなければならない!といわれた場合、この「倫理」とはいかなるものでしょうか。また、試験でどうして倫理が必要なのか、また専門家としてどういう態度であるべきかというのはどうでしょう。特に自分の顧問先、クライアントにかかる事件が重要です。

「倫理」の定義についてはいくつか見解があります。
1、法律違反≠倫理問題
社労士法で定めている当事者の利益の保護、職務遂行の公正性確保や品位の保持などは、懲戒処分対象であって、倫理問題ではありません。
2、禁止業務
「相手方協議済み事件」 : どちらか一方の肩入れをあらかじめしておくことはダメ。
「利害相反事件」 : 自分のクライアント、対、他のクライアントのような事案はダメ。
「依頼者相手方事件」「相手方依頼事件」 : やっている以外の他の件に首突っ込んじゃダメ。

「倫理」は特定社労士になぜ重要でしょうか?

1、ノウハウの確立、蓄積 : 事実→真実→証拠→手続というパターンを踏んでいるかどうかの迅速なチェックのために必要。
2、最低水準の確保、公共の福祉に役立てる : 特定社労士の「ここまでやってくれる」という概念の普及。
3、万が一の不都合に具体的な基準を策定する : 不都合は明らかにし、今後の改善に繋げるという姿勢の涵養。

専門家としての態度は? 
1、「言われた通りしました」ではダメ : 時間を取って、なるべく相手の相談に乗る。
2、事件の本質を見落とさない : 事件の法則性をつかむため、事例研究を怠らない。
3、素人のいうことを鵜呑みにするな : 「中身のない専門家」にならないように。
4、見かけで判断するな : 話を良く聞くところから始めるべし。
5、仕事にムラがないように : 標準化した流れ作業の構築のため、実務の技能ノウハウを積むべし。
6、ウソと伝聞と事実 : 見抜くことより、それらが良心につながっているかどうかが重要。
7、インフォームド・コンセント : 「依頼人に対する説明と情報を与えた上での了解」を基本とする。