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特定社労士の実態(上)

特定社労士の実践的な業務を学ぶセミナーに参加してきました。実際の労務問題をプロの役者さんを使って、実演してもらい、その矢面に立つというロールプレイングです。

7~8人の班に分かれて、それに役者さんが1人ずつついて、労務問題の当事者を演じます。我々社労士はその問題の落としどころに向けてなるべくそっちに持っていく、という感じで相手のハナシを引き出し、また問いかけます。

第1話でさっそく相談される社労士の立場に立候補し、相談者に答えます。ここで今まで学んだ心理学やコンサルその他の学習を生かして、いい落としどころに持っていくぞ、と意気込んで始めました。

シチュエーションは、派遣社員2名のうち、1名を取り立てなければならなくなり、その外れた1名が「セクハラを受けた」と噛み付いているという図です。

こういうところでは「傾聴」がモノを言います。ひたすら聞けという教えどおり、聞くのですが、相手もさる者で、結構挑発するような質問を投げかけてきます。とにかく「自分はちっとも悪くない。こんなヤツをどうして罰してくれないのか」という論調で来るのです。

こういうところでは「傾聴」がモノを言います。ひたすら聞けという教えどおり、聞くのですが、相手もさる者で、結構挑発するような質問を投げかけてきます。とにかく「自分はちっとも悪くない。こんなヤツをどうして罰してくれないのか」という論調で来るのです。

「傾聴」の論理でいくと、相手には反論してはならないということになりますが、無茶苦茶なことまで認めていると会社のためにならないという意識が先行して、どうしても「いや、それは」などといってしまうのですね。役者さんは非常にうまく、涙まで浮かべてやるところは大変リアリズムでした。

しかしそこまでやられると、会社を守るのと、この相談者に合わせなくては、という意識とが拮抗して何も言葉が出なくなる恐れがあります。この役者さん女性ですが、女の涙はたとえ演技と分かっていても難しいです。それを否定すれば役者さんじゃなかったら切れて問題解決もクソもなくなります。しかし肯定しても、「では会社が全面的に悪い」となっては、何のための相談者かということになります。

要するに聞いて何となく分かるのと実際やるのとでは大違いだということですね。ロープレはとにかく続けましたが、もう「散々な」目に遭った感じがしました。実際「聞く」コトは単に音楽を聴くとか、講演を聴くとかそういうものではないのです。いかにうまく応対し、コミュニケーションするかが問題なのです。

15分続けて先生が答えを出しました。(下に続きます)