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リーダーシップ論―偉人説

リーダーシップはどうしたら取れるか、この疑問に最初に答えたのが、この「偉人説」リーダーシップ論です。つまり、かつての立派なリーダーの特性を体系立て、どのような人物で、どういう事績を挙げてきたかということを研究します。そして、それをなぞることによって優れたリーダーになれるというものです。しかしこの論は、間違っていることは何となく分かるでしょう。

カエサルや織田信長に学ぶというのもそうですし、松下幸之助や堀江貴文に学ぶというのも、アリでしょう。しかし昔のリーダーに学ぶのは、現在は反対者を簡単に消し去るようなことが不可能であったり、違う英雄が相反するセオリーで成功していたりと、結構混乱します。

では最近のヒトはどうでしょうか。

この場合も彼らの置かれた状況でのみ有効だったといえると思います。しかしそれを承知の上で冷静に判断・分析するならば、複数の経営者の持論を自ら学ぶ余力のある人、また特に優秀な人にとっては、ホリエモンのやり方は参考になります。キャラクターが自分に合うというのも条件に入るかも知れません。

どちらかというとマネするに値するのは、人格など、大雑把な部分ではなくて、こういう人事のとき、こうした、というマイナーな実践に対するバックアップといえると思います。つまり実際の行動に対する動機付けです。英雄と比べて実績で劣るのは、一般人なら当たり前のことです。

では過去の英雄と全般的に誰とも似ていない、リーダーになれないような資質の人でもリーダーになれるぞ!というのが、PM理論です。先天的なリーダーの資質を持っているヒトを雇うのは迂遠だ、リーダーは育てよう!というものです。