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「キバン」助成金:年収はいくら?350万要件

「キバン」助成金はどうすればもらえるか、手っ取り早く言うと、

1、新しく事業を始めた
2、その事業に250万円設備投資した
3、その事業のために年収350万円以上の人材を雇った

というものです。2と3のクリアにはイロイロな喜悲劇が繰り広げられますが、今回は3の「350万要件」といわれるものに関してです。

言うまでもなく、支給申請は6ヵ月後350万円の半分175万円以上払ったことの証明を求められますが、当然払う前に「いくら払うのか?」という見込みをも求められます。

その見込みは350万円ギリギリというわけにも行きません。なぜかというと…

350万以上の年収のヒト(基盤人材)が1人なら良いのですが、これが複数になると差別を求められる場合があるのです。

例えば基盤人材Aの下に基盤人材BとCがつく場合、より責任の重いAのお給料がBやCと同等の350万円では、責任が重いのに給料が同等とはどういうわけだ、となるわけです。

しかし立ち上がったばかりの企業の場合、上の人物だからお給料が高い、とは一概に言えない場合が多いのです。責任が重いという理由だけでA氏の350万を400万、500万と上げると、6ヵ月後はどうなっているか分からないということで、それだけ払えない可能性もあります。

しかしたった3人の会社でも「組織図」を求めるお役所のことです。重責=高給というイメージが1人歩きしているのです。社長の給料ゼロで、社員の給料ウン十万という会社は現実に多々あります。それだけ社長は会社に捧げ尽くしているのです。そういう心情は助成金の要件には余り加味されません。

では年収400万だと半年で200万払わないと助成金は出ないのか?というのは基本的にはないといえます。しかし助成金はコロコロ変わる制度で、しかも細かいところは説明会に出ても分かりません。ここが「助成金社労士」が生きられる理由であるのは、社会の喜劇か悲劇でしょうか。