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セクハラの根源(上)

セクハラに代表される性犯罪はなぜ起こるのでしょうか。たまたま魔が差した出来心だったのか、それともハレンチ男が多くなったのか、奈良の事件などは変質者ですが、他の事件は市の職員や教師など、社会的地位の高いヒトが起こしています。

では地位の高さと犯罪率は比例するのか、そんなことは関係ありません。どうしようもない変質者はしょうがないのですが、地位が高い「組織人」が起こす事件というところにミソがあります。

組織にどういう「問題」があるのでしょうか?世界の99%のヒトは何らかの組織に属し、その全てが病気なわけがありません。なぜスマートな遊びとも違う犯罪に彼らは走るのでしょうか。

原因はいくつかありますが、大体以下のような構図です。
閉鎖的な職場、年功序列の崩壊と成果主義、危機感や閉塞感の蔓延。

「男らしさ」の崩壊。家庭での女性、子どもの価値観の変貌。

弱いものいじめでしか自分のバランスを保てないヒトが出てくる。

自分で自分の衝動を止められなくなる。別に変質者でなくても犯罪に走ってしまう。

というパターンです。こう書くとかわいそうなのですが、現在、男たちはより実像に近い生き方を要求され始めています。つまり、これまであった「男」ブランドが崩壊しつつあるのです。

優位性が崩壊して奈落に突き落とされるほどきついことはありません。仕事の鬼、率先垂範型で生きればパワハラと言われ、家庭では妻に家庭のモメゴトを押し付けて仕事に逃げると言われます。”男は黙って”というのは、男に実力と権威があればの話で、それがないとタダのネクラ男としか見てくれなくなります。

しかし、ありのままの自分と向き合うことが自己崩壊を招くことを無意識に感じている男たちは、何らかの代償行動を求めるようになります。セクハラがそのいい例です。

(下に続きます)