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定年制廃止の代償

全国一斉に日本マクドナルドユニオンへの組合加入を呼びかける

日本マクドナルドでは以前、定年制を廃止しました。その結果、84歳の従業員がクローズアップされたりしたこともあって、他の企業に先駆けて、こういう制度を導入することは、良い事だと思っていました。

しかしそんな良い企業にどういうわけか、以下のような話が出てきました。

このニュースが出た後、店長とアルバイトを対象とした同社初の労働組合「日本マクドナルドユニオン」(200人)を、結成したとの発表がありました。

結成した理由は、以下の通りです。
○2004年:店長職の定期昇給を廃止
○2006年:定年制廃止を含め、能力主義の給与体系が導入され、24時間営業が拡大し、残業代の未払いが多く発生。

急激な労働条件の大幅な変更により、店長他、正社員、アルバイトなどの働く側との摩擦が増えているようなのです。

この組合を結成した委員長は、理由を以下のように述べています。

「売り上げ至上主義のため、長時間労働を強いられ、多くの先輩や、同僚が、退職した。こうした現状を、社側に伝える必要がある」というハナシです。

店舗をまとめたエリアというものがありますが、エリア間で助け合い 運営を行うというサポート体制が整っていないようです。店長、コンサルタントの裁量によって労働環境に格差が起こるという現状があるようです。こうなるとあるところはワンマン、あるところは労基法無視とテンデバラバラになるのも頷けます。

なぜ同じマックなのに「ユニオン」なんだ?と疑問に思いましたが、これは横のつながりの同業組合なのです。エリアというものは別会社のような扱いのようです。

こういう職場はアルバイトで持っている先入観がありますが、店長や正社員の方は考えてみれば異常に忙しくなるでしょうね。定年制廃止がカムフラージュに使われると見た第一線の方々が危機感を抱いて組合を作ったに違いありません。

そもそも小売店では、よく働いてくれれば何歳でも良いという考えがあります。先入観に捕らわれない良い考えなのですが、なにとぞ取替え可能な将棋のコマという考えにだけは転換して欲しくないものです。