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偉いヒトの新人教育

「土俵は大学以上のことを…」元横綱大鵬が新弟子に心構え

新入社員と社長以上の差でしょうね。1から10まで実力の格闘技では、元横綱大鵬は神様以上の存在でしょう。そんなヒトでも「難しいね」と嘆じています。その教育内容は「努力と教訓」だったようです。

しかしどうでしょうか。昔のヒトの努力談を聞いて「オレも練習しよう」あるいは教訓を聞いて「悔いのないような青春を送ろう!」と雄雄しくも誓うフツーの若者がどれだけいるでしょうか。

エライヒトの談義は大抵は「理想的な若者」向けを基準にしています。ヒトの忠告を素直に受け入れ、修行に励む天晴れな若者向けです。そんな話を大多数の若者にしてもポワーンとしているだけのような気がします。大多数の若者に響くハナシとは、

何と言っても「赤裸々な現実」です。しかも英雄・豪傑の現実ではダメです。フツーの成長を遂げている年長者の現実はすぐ使えて、しかもすぐ現実の教科書として実際に現れることが多いのです。

若者だって社会人と同様「明るく楽しい」ヤツばかりではないのです。多様な連中の前で教える共通項はやっぱりすぐ使える現実です。例えば名刺の渡し方、電話の取り方を教えるのは大いに結構ですが、やったことがなければなかなか勇気が出なくて、やりそびれます。最初の一歩がムツカシイのです。

従って、まず教えるのは名刺を出す、電話を取るということにどういう決まり文句を添えるか教えます。一番多いのは「お世話になっております」ですね。行動と同時にコミュニケーションに不可欠な口を突いて出てくる言葉を、是非もなく強引に丸暗記させるのです。

その後はもうキャッチボールが始まりますから、ボールをうまく受けて返すことだけ考えれば良いのです。新入社員に対して古参社員の教えることで重要なことは、キャッチボールを始め「させる」技術です。最初はカタチから入る、というのはなかなか奥の深い言葉です。カタチがなければ改良のしようもありませんからね。