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加藤鷹に学ぶヒトの使い方

加藤鷹

言わずと知れたAV男優の英雄です。そのテクニックに男性も女性も興味があり、大変な人気のある人物です。印象に残るのは、すごいテクニックというより、仕事を通じて得た、実に現実的な「人間讃歌」です。「この業界には人の使い方を知らない人が多過ぎる」という前提で彼は以下のようなことを言っています。

○ AVも撮っている物は「エロ」じゃなくて、男優にしろ女優にしろ「人間」である。
○ 被写体のことを「この人はどういう人なんだろう」って知ろうとしないヤツが撮ってもいいものは出来ない。
○ スタッフに対しても出演者にしても、人間の存在や人格が無視されてるケースが多い。
○ AVを極めるっていう事は、女性心理を極める事である。
○ 女の子のパンツの端がめくれてたら「なにやってるんだよ、直せよ」なんて言わないで、無言でサッと直してあげればいい。
○ 緊張の糸なんて、緩めても緩まらないなら、引っ張って切っちゃえばいい。そこで、その人の姿が映る。

内容こそ彼の仕事に関するものですが、そこに人材に対するマネジメントのヒントが見事に表されているような気がします。

この方、40台半ばなのでそれ相応に大人の発言になるのですが、甘くも、いたずらに厳しくもなく、人間をバランス良く尊重しています。

こういうものは私などは「エロ」以外の何者でもないと思っていたのですが、さすがプロは違いますね。観る方もエロを求めているようでいて、実は人間ストーリーを求めているのではないかと思いました。

放胆なら放胆、恥じらうなら恥じらう、また、緊張しているなら緊張していてもそれを”そのヒトの人間性”として表せるか、ここに急所があるような気がします。そこでより露骨にイヤらしくとか、絵に描いたような行為をしても観客はエロだけを求めているだけでないから、感動しないし、売れないのですね。

そこを引き出し、いい仕事をした加藤鷹は超一流の人事専門家かも知れません。こういうヒトにありとあらゆる種類の能力ある人材を使わせて、一大事業を起こせばきっと下で働く人間は喜びますし、良い結果を出せるでしょう。

ただ本人はもっと社会の奥深さはご存知のようで、特に芸能界に関しては、容姿や能力よりも「政治」(議員になるという意味ではない)が重要なことを良く知っています。

このヒト、テクニックよりもやっぱり人物の魅力で人気があるのです。直接的な「快感」よりも、ココロの「快感」が演技者にもお客にとっても重要で、それが人を動かすことを知っているのですね。