« アイヒマン実験 | メイン | 母子家庭の効用 »

ふけめし、つば汁、行水めし

これは戦前の用語で、しかも軍隊用語です。昔の日本海軍は、兵科、機関科、主計科など、職種によって分化していました。しかし大砲を撃つ兵科は花形、動かす機関科はやや下、経理と衣糧を受け持つ主計科はさらに下と、差別されていました。

主計科の経理は事務職ですからまだいいものの、衣糧は早い話が「めしたき兵」です。スマートな海軍のイメージではありませんね。無形の差別に基づく嫌がらせもあったでしょう。

その差別への仕返しが表題の「ふけめし、つば汁、行水めし」です。どういうものかというと、

ふけめし:飯を炊いてその釜(軍艦は数百人分だからスケールが違う)に、頭のフケをチリチリと入れる。
つば汁:これは味噌汁の話。つばを吐いて、それを出すこと。
行水めし:飯釜は、ヒトが入れるくらいの大きさです。そこに飯を入れ、当然水も入れます。その水だけ入れた段階で、夏場なら行水して体を洗い、特に陰部や肛門を念入りに洗って、その水でメシを炊きます。

メシは必ずなければならないものです。これを避けるというわけにはいかないでしょう。言わない限りこういう行為に気付かず、エライヒトは当然のようにメシを食い、汁を飲むでしょう。それを横目で見て、やった張本人は心の中でほくそ笑むのです。

この話を聞いて思うのは、トップが押し付けた嫌なことというのは必ず返ってくるということです。絶対服従の軍隊組織ですらこうです。会社組織などどうでしょうか?サポート組織も必ずなければなりませんが、それを差別していないでしょうか。

本当にいくらでもやり方はあります。そんな応酬をしたところで会社に一文にもなりません。情報を開示し、規則を周知するというのは、実は暗闘にならないようにコミュニケーションをとるということなのです。コミュニケーションを取らない人間関係は暗闘になります。そうならないように規則を作るのです。