« 考え方を根本から変えるには? | メイン | 海戦にみる”中2階人事” »

子会社のいろいろ

大きい会社から分離して子会社にする、もしくはのれん分けで傘下会社にする、ということはよく行われていることですが、あまり積極的な理由で分社化することはないような気がします。

例えば、天下りのポストとか、会社法のルール上やむをえなくてというような理由が多いのです。つまり「親の身勝手な都合」が多いのですね。子会社のことは、人間の親子関係を想像すると良く分かります。

「親がうざったい」「新事業を任せられたい」「親と違ったマネジメントをしたいから」というのは、親の社長に対する子の専務のような感情ですね。血縁関係で何となく子であるという以上に、何のための「子」なのかという意識が組織の場合、必要になってきます。まず、

1、儲ける目的か、それ以外か。(収益性の追求)
2、子の事業と親の事業はどういう関係か。(依存か独立か)

この2点で4つの分類が出てきます。

A 受け皿会社
1、収益性:低
2、独立性:低
余剰人員の「受け皿」です。企業内では賃金を下げにくいので、外に出して賃金を下げるというやり方です。収益を求めるものではないし、独立性も低いです。

B 機能会社
1、収益性:高
2、独立性:低
収益性の高いある部門を外に出すことで、お客さんの厳しい要求にさらされ、緊張感を出し、機能を高度化させます。

C 戦略会社
1、収益性:低
2、独立性:高
新しいことをやっていて厳しい風にさらされる会社ではありますが、最初から収益は望めない会社のことです。

D 事業会社
1、収益性:高
2、独立性:高
これは普通の会社ですね。

子会社は上のいずれのパターンだろうと、グループ内における明確な位置づけが必要です。明確でない場合、子会社の社長は事業会社だと思い、儲けと収益を追求し、短期的に物事を考えてしまいがちです。そうなると本社の意に自然に背くことになります。どういう子会社なのか、性格を明確にする必要があります。そして、ゆくゆくは事業会社にするよう、親が子を育てるような努力をしていただきたいものです。