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”嫌よ嫌よも好きのうち”の心理

恋愛で、本当は好きなヒトに気持ちを伝えたいのに、わざと本心を気付かれないように振舞うことがあります。こういうのを「反動形成」といいます。

この心理は、本当の気持ちが周囲に分かってしまうことで自分の評価が下がったり、気持ちがバレルことで相手に嫌われそうなとき、本心と裏腹なことを言うというものです。嫌よ嫌よは、好き好きといった場合のリスクを考える慎重な態度です。

これは子どもによく見られる、というのは分かります。「たけしくん、ハイ!」で幼い頃のたけしが、好きな女の子の家の壁にボールをぶつけて気を引く、などは見ていてほほえましく、ちょっとうらやましい気持ちになります。

しかし、この「反動形成」は当然大人の社会でもありえます。

例えば、嫌いな上司にゴマをする、というのはそうでしょう。本心を言うと嫌われるどころか…ですから、敵意や嫌悪感を抑制して好意的な態度を取ったりしますね。

これは、個人的な感情<社会の立場という、人間の集団の中で生きる上での当然の心理です。問題は、この当然の心理を、「いや!やっぱり個人だ!」と排斥してしまう傾向が現代に強いということです。

人間というものは私も含めて単純で脆いものです。「本音で付き合おうよ」という中にも、建前を期待するものです。そういう本音と建前のあざなえる縄のような組み合わせがコミュニケーションなのです。人間の当然の弱さ、自己防衛も健全な社会を形成する上で不可欠の存在であることを、大人も子どもも自覚すべきかと思います。