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ドイツ軍と連合軍

第2次大戦中、世界最強を謳われたドイツ軍。兵器に指揮官、兵員の素質も最高で、アメリカ・イギリス軍は苦戦しました。ではなぜ連合軍は勝ったのでしょうか?物量ということもあるでしょう。しかし私は組織の問題もあると思います。

ドイツ軍は誠実に任務を果たしていましたが、二者択一を迫られたときに、どちらを取るかは特定の人間(ヒトラー)の判断に委ねられました。多くの関係者が権限を分け持っている場合に、優先順位に関する合意はごく形式的なものに留まり、”全てを支配したい超人”に委ねられました。

独裁者が存在するおかげで権限が縦割りです。権限の配分が先で、問題の設定は後回しです。また、ヒトラーの人事は減点主義でした。

簡単に書くと、
権限の配分>問題の設定、優先順位
です。

これに対し連合軍は…

問題と優先順位の設定に多くの資源を費やしました。いちばん厄介な問題で正面からぶつかりあったあとで、、明確になった分の結論はみんなで推進しました。一部に不服従や失敗があっても、全体としてはひとつの方向へ資源がつぎ込まれました。つまり中でのギクシャクを外に出さないところが良かったのです。

連合軍はアメリカの後に大統領になったアイゼンハワーやイギリスのモントゴメリー、フランス軍やソ連軍は、戦後のギクシャクは予想していたものの、ベルリンを目指すという点では一致しており、連合軍の仲間割れを狙ったドイツの諜報活動をも封じ込めたのです。

問題の設定、仕事の優先順位>権限の配分
が正しいのですが、どうも大きな組織ではこれが逆になるケースもあるようです。そういうときには「連合軍」のように会社のアイゼンハワーやモントゴメリーに権限を分散してはどうでしょうか?