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目標管理は万能か?

目標管理制度(MBO)は成果主義人事の浸透とともに、各企業で競って導入されています。この制度は業績向上と能力開発に極めて有効です。しかしどこにでも効く万能薬なのでしょうか?

例えば、
なにを?…売上高の向上
どれだけ?…対前期5%アップ。
どのように?…①資料の新規作成、②営業の効率化、③訪問回数のアップ
いつまでに?…①1月、②2月、③5月
どうであった?…対前年比10%アップ①再改訂②効率化は改善の余地あり③訪問回数は10%アップ

という感じで導入されます。ここで生ずる注意点は、

1、管理職の基準として導入すること…管理職は競わせるので良いですが、一般社員は協力する局面もあるので、一般社員個人個人に導入すると、教えたり助け合ったりしなくなることがあります。

2、ノルマ管理にしないこと…上司が力量のある人でないと、客観的に物事を見れなくなります。また、風通しを良くし、一般社員の意見や実情が良く分かるようにすることも重要です。

3、上司と部下の仲がよいこと…具体的に数字の出ない申告制の場合が多いので、信頼があることが第一です。

4、裁量の余地がある業務に適用すること…製造第一線のように決められた業務では、QCサークルで改善提案を出した方が良いです。どのように?を見ても分かりますが、ある程度、抽象的であったほうが良いのです。

このように、中小企業では特に、上司の統率力と、動機付け能力、それに会社の状況を知らせる情報公開が必要です。つまり、やる気があってナンボの成果主義なのです。成果主義がやる気を喚起するのではありません。ここに注意しましょう。