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人材観の歴史と未来

先進工業国の、人材をどう見るか?については、産業革命以来の歴史があります。アメリカを例にとりますと、アメリカでもやっぱり最初から自由奔放というワケではなかったようです。

1、「科学的管理法」の時代(20世紀はじめ)…職務を細かく分割した出来高払いのシステム。英語の通じない移民に有効な管理法。
2、「人間関係学派」の台頭(1930年代)…人間は機械のように働くものではなく、対人関係に労働能率が左右されるという理論。
3、「人的資源」の時代(1970年代)…人材を戦略的資源として大事にしようという企業の意思の表明。人材は企業戦略を支援するというもの。

ここまで進歩してきましたが、これらの管理法は、「雇われ人材」に対するものというくびきがありました。
そして昨今は、
4、「人的資産」の時代(現在)
です!どういうことかというと…

○企業の競争はファイナンシャル・キャピタルから、ヒューマン・キャピタルに移行しています。
つまり従業員こそが最高の資産だという考え方です。

ではその資産の持ち主は誰か?企業のものであれば、「雇われ人材」のままです。
そこで、人的資産の持ち主は従業員本人という考え方が生まれます。

つまり個々の人材は企業と契約を結び、相応の成果を提供するということです。
企業=人材として互いに選び選ばれる関係ということができます。

人材も企業も自らを育成し、育てる義務があります。

将来においては「搾取される労働者」「肥え太る一方的な資本家」という図式は崩れ、全ての労務関係は対等のものになるのではないでしょうか。IT業界やトレーダーで当たり前だった常識が一般的になるのではないでしょうか?