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会社内引きこもりとは?

引きこもりは日本特有の現象だといわれます。100万人の引きこもりというのは他の国では類を見ません。無論健全な引きこもりはあります。冷静にものを考えるとか、芸術家が著作や創作に没頭するときなどはそうです。

しかしこの国ではワケもなくいい若者が引きこもる傾向があります。同じことが社内でも起こりえます。絶対的孤独より、集団の中の孤独の方がきついと思いますがいかがでしょうか。

その原因はいくつかあります。
1、自己表現を許さない風潮 : 「良い社員」のステレオタイプを演じなければならない。
2、謙遜の風潮 : 「本当の自分を見せる」恐怖があり、人間関係で緊張を感じる。
3、対立を避ける上司 : 会社と部下が問題になると、上司は部下に我慢させるケースが多い。で、上司の信頼がなくなる。
4、喧嘩両成敗の伝統 : 加害者と被害者の区別がなくなる。被害者は損した気分になる。
5、会社の治外法権 : 会社内の独自の不合理な慣習が公然と認められている。
6、暴力の伝統 : ハズれると、怖いよ、ということで、非主流派には恐るべき制裁が待っている。
7、加害者を守る構造 : 「チクリは良くない」という風習。やったもの勝ち。

ではその解決策は?

1、自己表現を許さない風潮 : 表現できる場を作る。社内報など、場を増やす。
2、謙遜の風潮 : インフォーマルな横組織を育てる。
3、対立を避ける上司 : 対立とケンカは違います。異議には理論立てて応酬しましょう。
4、喧嘩両成敗の伝統 : 複数の目での評価制度を設け、公正な判断を。
5、会社の治外法権 : たとえ不合理に見えても、合理的なことを説明できるマニュアルなど用意をする。
6、暴力の伝統 : 当事者以外の第3者の目に見てもらいましょう。セクハラなどの相談機関は必須です。
7、加害者を守る構造 : 裁判所に該当する諮問機関を作りましょう。

どうにもこういう問題は、「怠けだ」「人付き合いができない」「上司や会社が悪いんだ」という結論に行きがちです。その結果本人が悪いということになって、社員の定着を阻害するのです。コミュニケーションをする機会を増やしましょう。しかも、自然な形で溶け込めるような雰囲気は、上層部で作ってあげましょう。