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音楽の効用

”音楽心理学”とは第一次大戦後出た概念で、第二次大戦後発展したもののようです。

その結果、単調な作業や騒音、不安などのストレスを和らげる「環境音楽」が誕生しました。それを利用したものが音楽療法です。その方法は、

1、能動的療法 : 歌を歌う、楽器を弾く、作曲など、音楽に関することを自ら行う。
2、受動的方法 : 精神状態に応じた音楽を聞かせる。
 
ここで、注目したいのは2の受動的方法です。一体どんな曲を聞かせればいいのでしょうか?

興奮している人を沈静化させるには静かな音楽、また、落ち込んでいる人に元気な音楽というのが、原則でしょう。

しかしここに「同質の原理」というのがあります。

失恋したときに元気の良い応援ソングを聴くより、気分にぴったりの失恋の曲を聴くことがあるでしょう。これは音楽と同調し、共感することで気持ちを浄化する作用です。親を失った子が、同じような境遇の人に共感することに似ています。妊婦さんが出産のときに音と振動の効果で痛みを軽減したりする効果もこれと似ています。

営業のときに戦意を高めたいのか、事務で落ち着いて仕事をするのか、はたまたコンサルタントで意識を集中したいのか、職場の場面で全く反対の音楽か、それとも「同質の原理」的音楽か、考えると音楽という意外な切り口から、職場の雰囲気の問題があぶりだされてきそうですね。