« 歴史を変えた大説得 | メイン | 北条早雲の人事術 »

改革者の”末路”

古来、改革者というのは、美名が残らず、悪名が残るといいます。なぜでしょうか?

1、組織に不都合が起こり、改革しようとする。
2、改革には才能が必要である。
3、これまでの幹部の中に才能がなく、下級社員から取り立てる。
4、この改革者は、周囲の嫉妬を買いやすい。
5、改革者は思い切った方法をとる。
6、下級社員が不利益を被る
7、素朴で単純な頭脳の「忠臣」が立って、分かりやすく糾弾する。
8、この「忠臣」に人望が集まる。
9、改革者を罷免せざるを得なくなる。
10、結局改革はできない。

という道をたどります。しかし小泉首相をはじめとする現在の”改革者”は、以下のような点に留意しているようです。

1、おおもとの体制に順応し、上にも下にも多数派工作をする。
2、反対派は容赦なく処罰する。
3、常に「正義」の理由付けを怠らない。

日本の昔の改革者は、細心に周囲に気を配りましたが、今の改革者は多数派工作をまずします。嫉妬や「忠臣」は「正義」の明分を取って血祭りに上げ、見せしめにします。日本的政治も良い意味でヨーロッパ的になってきたようですが、今の日本は改革者にも良い世の中のようですね。

日本の改革者、聖徳太子から戦国、幕末,明治の人物は本人か、子孫が悲惨な最期を遂げています。これがイランやイラクだったらどうなるか?考えただけでも恐ろしいです。しかし一連の小泉改革は、日本史に前例を見ない、一滴の血も流さない理想的な「名誉革命」になるような気がします。