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戦略と士気

さっさと逃げるはロシアの兵♪死んでも尽くすは日本の兵♪

日露戦争を歌ったお手玉歌の一部です。10年前の日清戦争でもロシアを清国と置き換えて、全く同じ光景が展開されました。ロシア軍や清国軍は、何も負けて退却したわけではありません。退却して相手の疲労を待って大反撃して最後の勝利をつかむ、そんな戦略だったのです。

しかし、なぜ、ロシアや清国は敗者になったのでしょうか?

それは、兵士の「士気」の問題にありました。戦争は行け行けドンドン、進んで何ぼの景気良さで殺し合いをする行為です。逃げるのは、どこまで逃げるというところがあっても、癖がつくとどうしようもありません。

ロシアも清国も、日本軍がろくに食料も、弾薬もないのを知っていました。だから、疲れたところを撃つというのは勝つ目的を達成する戦略にかなっています。

しかし戦うのは生身の人間です。退却して意識が尻すぼみにならないようにするには、よほど指揮官が優れている必要がありますが、当時のロシアも清国も老大国で、そんな天才はいませんでした。ここでは、両国とも積極的に戦うべきだったのです。戦略よりも、意気消沈した集団の雰囲気がロシアと清国のその後を決定したと言えなくもありません。