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「みなし」と「裁量」のちがい

みなし労働時間制と裁量労働制はどうちがうのか?と言う質問をよく受けます。
ではまず、みなしと裁量が具体的にどう使われているかどうかから。

「みなし」:6時間働いたけど、8時間とみなす。10時間働いたけど、8時間とみなす。なぜなら、外にいて、何しているのか管理職が分からないから。

「裁量」:管理職がタイムキーパーとして計るには、客観的には分かりかねる仕事内容の場合。労働者自身じゃないと分からないから、6時間でも8時間分の労働、10時間働いても8時間分の労働としよう。

何か似たような感じですね。みなしの方が裁量よりも範囲が広いのです。裁量はみなしの一形態と呼べるのではないでしょうか。つまり、「みなしの理由は?」と聞かれると「労働者が裁量するから」という答えも考えられるということです。

「みなしの理由は?」と聞かれて「外勤オンリーだから」「専門職で能率が分からないから労働者が裁量する」「本部で研究職だから労働者が裁量する」という理由で、

1、事業場外労働のみなし労働時間
2、専門業務型裁量労働制
3、企画業務型裁量労働制

の3つが法律で細かく要件などが定められています。いずれも「何時間労働したか」を重視する労働基準法が、「何時間か分からないからこの場合はみなしにしよう」という例外を設けた規定です。なぜみなしなの?労働者の裁量だ!という問答で分かり易いと思います。