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一驚!一興!富士山面接

東京のとあるIT会社が、採用面接になんと「富士山面接」を取り入れました。冗談でも何でもない、面接を日本最高頂3776メートルの富士山頂で行おうというのです。写真が中にありますが、富士山のゴツゴツした岩山の中に机と椅子が出現し、面接官と受験者が座っています。さすがにスーツ姿ではありませんでしたが、光景を見てちょっと笑ってしまいました。

日本一ハードルが高い面接

しかしこの方法、実に良い方法だと思います。何といっても「この企業に入るぞ!」という本気度が計れるではないですか。4,000人の応募者を書類で2,000人に絞り込んだそうですが、この2,000人に「富士山面接」を通知すると希望者は50人程度になったそうで、悪天候の当日参加したのは21人。リタイアせず登頂したのは15人だそうです。

さらに私が、ああいいな!と思うのは、ここに”伝説”が生まれるからです。この混迷の時代、お金や企業規模では若者は定着しません。何といってもその組織に所属している上で、「こういう感動があった」という”伝説”が必要なのです。

こういう面接で採用されれば、苦しいことがあったとしても、通り一遍の面接で選ばれたのではない、という意識が彼を支えてくれるでしょう。以前は、「社長が新入社員と研修中に夜を徹して話し合った」「こういうイベントででこういう感動があった」という仕事以外の”伝説”はザラにあったようです。そしてそういう組織への帰属意識が、終身雇用と相まって、日本の高度成長の原動力を生み出したのです。

そう、今の組織にはお金や、社内の殺伐とした競争意識より、感動的な”伝説”が必要なのです。そういうことはたとえ演出してでも作り出さねばならないものになると思います。