新型インフルエンザ規程作成のお手伝い

新型インフルエンザの労務管理
そこまでやるかインフル対策!

インフルエンザが流行の際、予防と休業対策、さらにBCP(事業継続計画)の一環としての規程作りをお考えのところもい多いかと思います。

そういう規程を今回作ってみました。

弊事務所の出しています対策集は、以下の2つからなっています。

① 新型インフルエンザ対策規程(事業継続のために会社が採るべき対策をまとめたもの)
② 新型インフルエンザ Q&A(主に給与支払いなどの法律論をまとめたもの)

この新型インフルエンザ対策集は、非売品です。お気軽にご相談ください。

日本の社会保障のもと

「社会保障」というと、介護、労災、疾病、出産、年金、失業、障害など人生でのアクシデントに対応する公的な手助けのことをいいますが、これが日本史上最初に行われたのは今から1,300年前の話です。

光明皇后という女性がいました。奈良の大仏を作った聖武天皇の皇后で、藤原氏で初めて天皇の奥さんになった人です。

この女性は仏教(当時は真言宗や天台宗もない、南都六宗)の熱心な信者で、その教えに基づいて、

1、施薬院 : 病院
2、悲田院 : 生活保護施設

を初めて造りました。女性ではこれ以上出世できないという高位にありながら、病人の血膿を吸い出したりなど、自ら献身的な看護を行ったのだそうです。

この「社会保障」は仏教の慈悲の教えから出たといいます。この考えは、

慈…楽を与える
悲…苦を抜く
のうちの「悲」の考えです。

1、自らが悲しい存在であることを知ることによって、ほんとうに他者の苦がわかる。
2、そこで、はじめて他者と同感してゆく同苦の思いが生じる。
3、その自分の中にある同苦の思いが、他の苦を癒さずにおれないという救済の思いとなって働く、それが悲であるという。というものだそうです。

つまり、困っているヒトは誰でも救いなさい、ということです。今の社会保障制度もこういう考えに基づいているのが分かりますね。憲法の生存権もこれに基づいていますが、現在の社会保障が本当に困っている人を救っているのか、さて、というところが問題ではあります。

医療保険制度の改正内容

平成18~20年の医療保険制度の改正の内容が分かりました。骨子はやっぱり高齢者関連です。項目別に主なものを挙げると、

1、「比較的若い人」関係
○標準報酬月額の上下幅の拡大…上下格差の拡大が大きくなりました。
○高額療養費の自己負担増えます。
○出産手当金、傷病手当金増えます。
○乳幼児の自己負担軽減措置を「検討します」

しかし、注目の高齢者関連は、

2、高年齢関係
○70歳以上の高齢者の高所得者は3割負担。
○75歳以上の高齢者は1割負担。高所得者は3割負担。
○75歳以上の高齢者は年金から保険料を天引きする。
○70歳未満は3割負担。
○70~74歳は2割負担。(高所得者は3割負担)
○退職者医療制度(健保が退職後も続く)は平成26年までで廃止。

全く高年齢関係は悪いことばかりです。出産を増やす涙金以外は暗いニュースです。年取っても一般人並みの一部負担では苦しいですね。

他には、保険者の再編成があります。もっとも大きいのは政管健保を全国一律から都道府県単位にすることでしょうか。地方の財政状況によって料率が違うことになります。健保料率82/1,000と覚えたのは昔話になるようです。

基礎年金は消費税で!

現行の公的年金制度はすでに破綻しています。保険料をいくら上げても、根本的な世代間扶養方式を改めないとダメでしょう。少子化で子どもが減るのは分かりきっていますし、産めよ増やせよよりも、人口が減る局面にあわせて制度も改訂するべきです。

そこで考えられるのが、基礎年金(最低保障年金)の税方式です。基礎年金(最低保障年金)の財源を税に求め、そしてその税は消費税であることは、すでに多くの国民の世論です。

基礎年金(最低保障年金)の財源が消費税になってはじめて、年金制度は安定します。さらにもっと重要なことは、

資産家や高額所得者など年金に頼らなくても生活できる人には、この部分の年金を支払わなくて済むことになる、ということです。

老後に年金の必要のないヒトに年金を払う必要がなくなるよう制度を改訂することができることです。

現行のような保険料中心の制度では、保険料納付月数に応じて払うので、またどんなヒトでも日本国内に住所を有する限りは納付義務があるので、どうしても必要のない人にまで年金を払うことになります。

そりゃ累進課税で所得税でほとんど返すことになりますが、公的年金控除などの仕組みによって何がしかの年金は残ってしまいます。

年金を必要としない人々には最初から、税を財源とする年金は払いません。もちろん保険料を財源とする厚生年金(報酬比例部分の年金)はきちんと払います。これによって年金は制度が安定するだけでなく、本当に年金を必要とされる人のところにしっかり給付されることになります。

消費税の税率は、
○基礎年金(最低保障年金)の額をどの程度にするか、
○支給制限をどの位の層にするか
によって決まってきます。

これを数字を挙げて説明できれば、国民特に若者の支持を得ることは間違いないと思われますが、いかがでしょう。

労働保険の「再申告」

この再申告とは、1年に1度、労働保険の申告をしていただいた後に、「実はあの申告間違っていました」と修正を申し出るものです。

ご存知のとおり労働保険料は今年度の概算保険料と、前年度の確定保険料を申告するのですが、確定保険料の方は一旦申告すると修正のしようがないように思われています。しかしこれは、時効の2年を過ぎていなければ修正できるのです。

修正の例は…
○給与の算入が漏れていた。
○雇用保険の資格を遡って取得→その遡った間の給料が算入されていなかった。
○確定していた賃金を年度を越えて支給した→確定年度に入れるべきですが、支給年度に入れている場合。
○労働者でない役員分を入れていた。
○その他集計誤り

その実務で出すべき書類は…

1、再確定理由書:東京労働局の書式があります。上の例のような理由を書いて事業主印を押します。
2、再申告用申告書:申告書に「再申告」と朱書する。
3、正しい計算書
4、訂正前の申告書と計算書
5、再申告の原因が確認できるもの。(東京労働局の書式の再確定理由書に書いてあります。)
6、還付請求書

です。精算方法は税金と同じなのですが、もし大きな誤りがあった場合は、保険料を取り返す事も可能ということです。

国保:あやふやな行政の対応

海外療養費制度:けがで帰国できず…一方的に「転出」、国保切られる--千葉の女性
国民健康保険は、自営業者や年金生活者など、原則として会社で働くヒトでない方が入る保険です。数年前に海外で治療費がかかった病気でも面倒見ますよ、という制度が発足しました。海外でかかった病気の診断書と翻訳書、費用の領収書を提出して、給付を受けます。

ところがこの制度は、「海外渡航中」は対象になっていても、「海外在住」までは面倒を見ません。日本国内在住のヒトのみを対象とするのです。もちろん、日本企業の外国法人に雇われた日本人などは、海外在住であっても、会社の健康保険に入ります。船員保険が海外での治療費も含めているのは、随分昔からの話です。

では、この方の場合はどうだったか?

この方は、「転出した」と判断されたことで、「海外渡航中」のヒトから「海外在住」のヒトになってしまったのです。転出届を出したわけでもないのに、外国人になったと判断されるのは、納付書(保険料払い込み用紙)が返ったきたからだといいます。しかし、住民票にちゃんと住所は存在していたそうです。

その結果、1,400万円という額の費用がかかり、十分な治療も受けられず、この方は亡くなりました。行政の裁量のあやふやさと、法の不備が招いた悲劇といえます。

居住実態をはっきり確かめるのと、海外在住でも、日本国民であるなら保険給付を受けられるようになる国際的な制度の構築が求められます。年金については、既にドイツ、イギリス、アメリカ、韓国との通算条約があるのですが、保険については早急に国家間の横断基準が求められます。

軍隊が作った社会保険

労働法も含む社会保険とは、そもそも、はじめはどんな制度だったでしょう?

19世紀のイギリスでは、産業革命により、生産力が飛躍的に上がりました。しかしその一方、1833年工場法が制定されました。

繊維工業の工場で9歳以下の就業禁止、13歳未満のものの労働時間を一週間48時間、18歳未満のものは一週間69時間としました。

また、20世紀初頭の日本、1916年の工場法は、常用15人未満の工場で12歳未満の就業禁止、15歳未満の1日12時間制限でした。

今よりはるかにキツイですね~

しかしなぜ利益が上がるのに、こういう保護法ができたのでしょうか?児童労働、長時間労働のひどい実態が明らかになり、多くの社会改良家の運動もありましたが、一番の力は「軍隊」です。

何しろ軍隊は強くなければなりません。重い銃や装備を担いで、当時は自動車もないですから、延々歩かなくてはなりません。そのためには、その兵力の供給源である国民が疲弊してはならないし。将来の兵隊たる子供が死んでもならないのです。さらに、その子を産む女性も大事にしなくてはならないのです。

当時は食うか食われるか、帝国主義の時代でした。イギリスのような大国は他の強国に植民地を奪われないように、日本のような国は強国の植民地にならないように、組織を背負う人材以外の、大多数の国民にも保障を高める必要があったのです。

選ばれた人間だけ手厚く、では国は成り立たないのです。全体のボトムアップが計られてこそ、発展することを当時の支配者は知っていたに違いありません。

徹底的に徴収するぞ!

国保の赤字、3284億円に 04年度は571億円減

サラリーマン以外の人が加入する、国民健康保険(国保)。フリーターやニートや貧乏事業主(小生のことか)も加入しなければならないので、一番保険料の徴収に手間がかかる保険制度です。

引用の新聞記事はその国保の財政状況を示したものです。状況は若干改善したようですが、それでも苦しい状況です。たとえ年金なぞ払いたくないという人でも、目先の健康には不安もあるので国保には入ります。

この新聞記事で、注目すべきは、以上のような財政状況ではありません。”払わないヤツ”に対する徴収の方法についてです。

記事の下にさりげなくこうあります。
「同省は若者の収納率アップ対策として、保険料を携帯電話や固定電話料金に上乗せして徴収することを検討中で、「07年度から本格実施を目指したい」としている。」

「!!」うまいこと考え付いたものですね。国保は滞納が続くと、窓口まで強制的に来させるような制度になっているのですが、若い世代は病気にならないので、保険に入らない人も多く、そんな程度では「出頭」させることができないのです。電話会社と提携して徴収すれば、徴収率は抜群にアップするでしょう。

国保は個人単位ではなく、「世帯主」に保険料の支払義務があります。この施策が実行されると、実際には親から取り立てる場合もあります。ニートフリーターは親が悪いという論調もあるようですが、そういった風潮を反映したものでしょうか。

150年前の雇用保険

フランスはフランス革命でいきなり共和国になったのではありません。何回かの揺り戻しを経て、民主政治を確立しています。その中で、社会主義運動の一環として、雇用保険も生まれました。

ルイ=ブラン(フランス・1811~1882)は、社会主義者ですが、不合理な競争をなくし、労働者を保護するためには、国家が生産を統制すればよいと考えました。国が工場を経営すれば、競争に巻き込まれることもなく、労働者を搾取する必要がなくなると考えたのでした。

彼は1848年、大臣になりました。彼が中心になって、労働者への福祉政策を行いました。10時間労働制を制定し労働時間の短縮を行ったりしましたが、最も有名なのが、国立作業所の設立です。

ルイ=ブランは前項のように、国立工場の経営というプランを持っていましたが、これを具体化したわけです。8時間労働の今は当たり前のような感じですが、当時は画期的な改革でした。

ところが、いきなり工場を建設できるわけはないので、国立作業所では、登録した労働者に公共土木作業をさせて賃金を支払います。

これが現実には、失業対策事業になってしまいました。政府は登録者の数をそんなに多くはならないと見積もっていたのですが、失業者のあいだで、国立作業所に登録すれば仕事がもらえるという評判が広がり、登録者はどんどん増えました。

3月には1,500人、4月には6万6,000人、5月には10万人にまで膨れ上がります。10万人も労働者が集まっても、そんなに仕事はないわけですが、政府は仕事がなくても登録者には、賃金を支払いました。

当然、これは政府の財政を圧迫し、まもなく国立作業所の廃止を決定します。このころには、ルイ=ブランは政府の中で完全に孤立していました。労働者の要求を切り捨てる政府の方針に反対して、パリ民衆が武装蜂起を起こしましたが鎮圧され、死者、逮捕者ともに1万人以上といいます。

ルイ=ブランはイギリスに亡命し、10時間労働制も廃止されてしまいます。数ヶ月だけの雇用保険でした。いや、保険ではありませんね。保険料を取っていないから、これは一種の生活保護ともいえます。しかしこういう試行錯誤を経て、雇用保険もできあがってきたわけです。

調査スッポカシ

ある社長さんからこんな話を聞きました。

労働保険に未加入の会社に、社労士に委託して、監督署から調査が入ることがあります。立派な監督署の印が押してある堂々たる「訪問予告書」が届きました。監督署の代理のものが行くから、なぜ労働保険に加入しないのか理由を言い、書類を用意して待ってろよ、という内容です。その社長さんはその期日の時間に戦々兢々と待っていました。

しかし、待てど暮らせど、「調査官」はやってきません。とうとう1日待って何の予告も連絡もなく、調査は無断取り消しされてしまいました。社長さんは言いました。「さあこれで労働保険に入らなくても済むぞ!」

こんなことをしているから労働保険の未加入会社が増えるのです。年金不信も将来確実に給付される見込みがないないと報道されるから、はるかに効率の悪いはずの民間保険の方が良いか、という感覚を生むのです。

誰だって一生五体満足なら掛け捨ての保険には入りたくありません。しかし保険料の他に税金で担保されている公的保険・年金は民間保険よりはるかに効率が良いのです。

瀬戸朝香の言を借りれば、「知らないのは問題です。入らないのは大問題です。」ならぬ「行かないのは問題です。連絡しないのは大問題です。」ですね。法律も役所が率先して活動しないと、正直者がバカを見る社会を作る手助けをすることになります。

国保組合の保障

東京都土木建築健康保険組合
東京都には土木健保組合というものがあります。これは一般の健康保険ではなく、個人自営業者などの加入する国民健康保険の仲間です。労働組合も一緒になって幅広い保証を行っています。もともと建設労働者の福祉が少ないのを見かねて作られたもののようですが、保障は一般の健康保険を上回っています。

政府管掌の健保の特徴は、
○3割負担の医療費
○傷病手当金、高額療養費、出産育児一時金など給付

位ですが、土木健保の保障は、

○組合費・保険料は定額。
○3割負担の医療費但し3,000円超は払い戻し。
○家族も含めて入院時医療費は全額払い戻し。給付金もある。
○給付は疾病入院給付金。
○傷病手当金はなし。
○検診、人間ドック、インフルエンザワクチンなど保障あり。
○労災は政府のものと同じ。
○アスベスト対策もある。
○共済など上乗せ保険、火災保険もある。
○建設関連他、ビルメン、清掃、電気工事業も加入可能。
○自動車保険、税務対策もある。
つまり、労災・民間の全ての保険と関係あるものは面倒見ますよという内容です。組合費などは定額なので、高給取りほど負担は少ないのではないでしょうか。ないのは雇用保険くらいです。

一括するのが良いことかはそれぞれですが、自分で保障を考えて手を打っておくという手間は省けそうです。民間・公的な保険も含めて窓口は1つで済みます。医療費が手厚く、休業補償がないというのは建設業界の習慣でしょうか。

健康保険証をゲットするまでに…

先日、ある方から相談を受けました。

この方、長年外国に住んでおられた方で、脳梗塞なので日本でのリハビリが必要です。ヘルパーの女性が付いて来日します。

彼は、日本国内に住所は持っていません。パスポートは持っているので、日本国籍はあります。健康保険証(国保)が必要なのですが、この取得がまた大変で、以下の4段階をクリアしなければなりません。

①病院へ入るには国保がいる
②国保に入るには住民票がいる
③住民票を得るには戸籍謄本がいる
④戸籍謄本はようやく手に入れました!

東京の病院はこういうケースにどうも冷たいです。診断書やレントゲン写真まで送ったのに、反応は「私どもも戸惑っています」 (-_-#) あのな~~。保険に入っていないことを気にして随分嫌がられました。

保険証がないと確かに取りっぱぐれて、お金がなくて放り出すわけにも行かないから、ということです。保険にすぐ入るから、と言っても、口頭では信じてもらえないようでした。

病院には苦情専門のスポークスマンのような人がいて、官僚的な答弁だけであしらわれましたね。結局地方の良心的な病院が引き受けてくれることになりましたが、彼は2度の移動を余儀なくされます。

病院は患者が山のように押し寄せるところなので、面倒な客はお断りということなんでしょうけど…。医療にメスを入れるのは結局1社労士が怒鳴り散らしてもダメで、政治レベルの話になるのかな、と思います。

労働保険なんかYeah!Yeah!

私には確かにこう聞こえました。耳が悪いのでしょうか。ちょっとクセのある社長さんです。要は「労働保険料を払いたくない!」と言っているということです。

しかもまだ今年の年度更新(労働保険の申告)をしていない。今回の申告をどうするか?という問題で奥さんから連絡があったのです。

社長さん本人の弁をべらんめい調を除いて要約すると…

「労働保険料なんかびた一文払いたくない。保険料を抑えるどころか1円たりとも払いたくない。どうして辞めたやつにまで金を払わなくてはならないのだ。雇用保険なんてもらったやつは働きもせずにのほほんとしているんだろう。こんなべらぼうに高い保険料が払えるか!」
「従業員の福利厚生には民間の保険を使っている。従業員も全員それで納得している。」
「(ある社労士事務所は)廃止してくれといったのに未だしていない。こんなもの(申告書)が来たのはやつらの責任だ。労働保険は義務だとだまして入らせたのだ。やつらに払ってもらうけど、お前にその手続きはできるか?」

その対策は…

診断
今回労働保険料を払ってもらうどころか、社会保険の加入自体が無理。なぜかと言うと、労働保険の効用や義務を説く以前に、「払いたくない!」の一点張りで意識を遮断しているので、説こうとしても逆効果です。

対策
見せていただいた書類を返して、「あんたがやりなさい。うちは知らない」という意味のことを言いました。できれば民間の保険と労災+ウチの顧問料を比較したシミュレーションを出そうと一瞬思いましたが、こんな状態では先が思いやられるので撤退しました…

やれやれ。こういう会社は一度痛い目にあってみないと分からないですね。調査の怖い現実など言ってもどやされそうだし、こんな難攻不落の要塞を攻略するより、もっと他の会社を訪問した方が良さそうです。

家康の健康法

徳川家康…江戸幕府を開いた人物として歴史の教科書には出てきますが、家康が予防や保健医学の創始者であったことはあまり知られていません。

具体的には…
1、予防:スポーツが体を守るということを最初に知り、鷹狩り(鷹を飼いならして、野山で狩猟をすること)を奨励した。
2、保健:梅毒の原因について伝染病だと見て、いわゆる「遊女」を近づけなかった。

当時は病気は菌が起こすのか、毒素が起こすのかさえ明らかになっていませんでした。医者は本の2~3冊も読んで看板を出せば通用し、薬草の種類を覚えて投与し、腫れ物ができれば切開するという程度でした。そんな中で最高権力者とは言え、家康の医学的な知識・経験・カンは優れていました。

家康は戦陣にも各種の薬の入ったタンスを携行し、医者しか持たない専門書を諳んずるほど読んでおり、また、上記のような健康法を自ら実行しました。家康は医者を信用せず、自分の体は自分で守るという姿勢を堅持して、75歳の長寿を維持したのです。

現在、介護関連で寝たきりの人を減らそうと、国は予防介護を奨励していますが、家康の400年前と比べて、体を動かし、自分の体は自分で守る、という原則は変わらないようです

南の島の社会保険

 南の島、バヌアツ共和国の社会保障は、一族で助け合い、自給自足が可能なところから、日本ほど発達していません。思ったより障害者が多いのですが、彼らはちゃんと一族に養われています。しかし、首都ポートビラを中心とした経済活動のあるところ、厚生年金と労災を合わせたような社会保険は存在します。

 厚生年金+労災で保険料として賃金の6%を払います。ただし3%ずつ労使折半。安くて良いですね~支払い義務や届出義務は事業主です。ここは日本と似ていますね。50歳過ぎると年金として支給されますが、年金不信は日本より甚だしく、事業主に保険を控除してくれるなとおおっぴらに要求する労働者もいます。そのくせ退職すると年金に入れてもらえなかったと労働基準監督署に垂れ込むのです。監督署は「レイバン」(laborか?)といわれています。

 

 女性の労働者が妊娠すると事業主は3ヶ月間それまでの給料の半分の保障をしなければなりません。日本の労働基準法に似ていますが、保障を政府がする出産手当金はありません。特に中国人の事業主は妊娠が分かると首にしてしまいます。それでも問題にならないのは、この国の相互扶助の習慣でしょうか。

 個々の家庭が農業で自給自足するような国では、「社会保障」という言葉自体、「は?もったいぶって何言ってんだ?」という感じです。法律というもの自体、ギスギスした状況を平らかに収めるものです。そんな状況のない南の島には、「法律」など個々の頭の中に入っているものであって、六法全書など要らないのかも知れません。