« 法律に定められているといっても… | メイン | ごあいさつ »

就業規則は会社の憲法。しかし…

京都の大学で、就業規則が「なくて」不当な労働を強いられた!と外国人講師や非常勤講師が労働基準監督署にユニオン労組を通じて告発したそうです。
結果、大学には監督署から「就業規則不備」という内容で是正勧告が出ました。就業規則がないとは考えられない大きな大学です。

これは、どういうことなのでしょう?

就業規則は普通、「会社の憲法」で、作っておけば、会社の構成員全員が守らなくてはならないはずです。日本国憲法も原則として日本国民全員に適用されるのと同じです。

また就業規則は労働条件の最低を定めたもので、個人別の労働契約より強いものとされています。だから、例えば外国人が契約通り働いて、しかし就業規則により良い条件が書いてあれば、法的にはそっちに条件を合わせることになります。

しかし、現実はいちいち「この条件は契約、こっちは就業規則を適用する」という面倒な作業をするわけにはいきません。どうしても慣習上契約にしたんだからと、すべての条件で契約を元に働かせてしまうことになります。

そういうことを繰り返すと、就業規則と現実の契約はどんどん離れてゆき、しまいには「私のための就業規則が存在しない!」となるわけです。

こういうことを防ぐには、就業規則の前半に書いてあることが多い「適用範囲」に気をつけなければなりません。これが曖昧だと、すべての社員に同じ条件を適用することになり、極端な話、週1回しか出てこないパートさんに莫大な退職金を支払ったり、正社員並みの有給休暇を与えなければならなくなります。

就業規則は1冊に終わりません。パートさんや非常勤、契約社員の方などは別にもう1冊作らなければならないのです。日本国憲法は1冊の本になっていることが多いですが、会社の憲法は、何十年も改正しないというわけには行きません。労使双方のために必要なら何冊でも作りましょう。