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国保:あやふやな行政の対応

海外療養費制度:けがで帰国できず…一方的に「転出」、国保切られる--千葉の女性

国民健康保険は、自営業者や年金生活者など、原則として会社で働くヒトでない方が入る保険です。数年前に海外で治療費がかかった病気でも面倒見ますよ、という制度が発足しました。海外でかかった病気の診断書と翻訳書、費用の領収書を提出して、給付を受けます。

ところがこの制度は、「海外渡航中」は対象になっていても、「海外在住」までは面倒を見ません。日本国内在住のヒトのみを対象とするのです。もちろん、日本企業の外国法人に雇われた日本人などは、海外在住であっても、会社の健康保険に入ります。船員保険が海外での治療費も含めているのは、随分昔からの話です。

では、この方の場合はどうだったか?

この方は、「転出した」と判断されたことで、「海外渡航中」のヒトから「海外在住」のヒトになってしまったのです。転出届を出したわけでもないのに、外国人になったと判断されるのは、納付書(保険料払い込み用紙)が返ったきたからだといいます。しかし、住民票にちゃんと住所は存在していたそうです。

その結果、1,400万円という額の費用がかかり、十分な治療も受けられず、この方は亡くなりました。行政の裁量のあやふやさと、法の不備が招いた悲劇といえます。

居住実態をはっきり確かめるのと、海外在住でも、日本国民であるなら保険給付を受けられるようになる国際的な制度の構築が求められます。年金については、既にドイツ、イギリス、アメリカ、韓国との通算条約があるのですが、保険については早急に国家間の横断基準が求められます。